ストレスの多い現代社会では、体の様々な部位に、目に見える形でストレスが表れたりします。
体調や疾患として表れることもあれば、寝不足や食欲不振となることもあります。
そして意外と多いのが、無意識に体が動いてしまう、貧乏ゆすりや歯ぎしりといったものです。
貧乏ゆすりや歯ぎしりは、自分では気が付かなくても周りから見ると目につきやすく、あまり良い印象を持たれません。
特に、女性が歯ぎしりをしていると顔が歪んでしまうこともあるなど見た目にも影響してしまうので、実はとっても怖いものなのです。
歯ぎしりってどんなもの?
歯ぎしりとは、歯を強くこすり合わせて断続音を出すものです。
一般的には以下の3つのタイプに分類されます。
①歯を左右にこすり合わせる(グラインディング)
②上下の歯を断続的にくいしばる(クレンチング)
③繰り返し上下の歯を噛み合わせる(タッピング)
更に、これら3つのタイプが合わさった歯ぎしりの方も居ます。
グラインディングやタッピングの場合には、音がするケースが多いので本人や周りの人も気が付きやすいのですが、クレンチングの場合、音がせず周りから見ても気が付きにくいので歯ぎしりをしている自覚のない人が多いようです。
また、歯ぎしりは日中だけではなく寝ている間にも見られます。寝ているときの歯ぎしりですと、更に気が付きにくいですね。
歯ぎしりのセルフチェックをしよう!
人に指摘されない歯ぎしりを自覚する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
・起床時にあごの痛みや疲れを感じる
・肩こりや頭痛がある、耳の下からあごにかけてこりやすい
・冷たいものが歯にしみる
・頬の内側に噛んだあと、舌に歯のあと(圧痕)がついている
・歯にひびが入っていたり、擦れて欠けたような歯があったりする
・集中しているときに奥歯に力が入っていることがある
これらに1つでも当てはまっていると歯ぎしりをしている可能性があります。
歯ぎしりがなぜ起こるのか、原因ははっきりしていませんが、ストレスや飲酒、喫煙、カフェイン摂取などが大きく関わっているとされています。
自分の生活習慣などからも、歯ぎしりの可能性が高いかどうかを判断することはできますね。
歯ぎしりが引き起こす意外な影響
歯ぎしりをすることで体にはどのような悪影響があるのでしょうか。
無意識に歯ぎしりをしているときには、自分の体重と同じくらいの力が歯にかかっていると考えられています。
全体重を歯だけで受け止めるのですから、当然歯や歯茎にかなりのダメージを与えてしまうでしょう。歯がこすれてしまうだけではなく、欠けたり割れたりする可能性もあります。
健康な歯が突然欠けてしまったら、ショックですよね。
せっかく日々のケアをしてきれいな歯を保っていたのに、歯ぎしりで歯を傷めて、虫歯菌に感染して、歯の治療をするといったケースも少なくありません。
その他にも、歯ぎしりで歯が揺れることで歯茎が下がってしまい、知覚過敏や歯周病になることもあります。歯茎が下がると歯が長く見えて、審美的にも美しくありません。
丈夫で見た目にも美しい歯を保つために、歯ぎしりをしているかどうかのチェックをしてみましょう。
医科歯科ドットコム編集部コメント
歯ぎしりで歯が欠けてしまう可能性があるなんて。。。自分ではわからないかもしれないので、ご家族の方に聞いてみましょう。
歯ぎしりをしているご家族がいらしたら、クリニックの受診を勧めてくださいね。
監修日:2019年10月30日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医