歯科医師が答える!歯科医師から見た早食いの悪影響の数々とは?

皆さん、食べる速度は早すぎませんか?
よく噛まずにかきこむように食べていませんか?
早く食べるのが癖になっている人は、一刻も早く直しましょう。
早食いは百害あって一利なしです。
今回は、早食いを改めようと思ってもらえるよう、早食いの悪影響についてご紹介したいと思います。
 

 

肥満になりやすい

早食いをしている人はあまり食べ物を噛みません。
本来は良く食べ物を噛むことによって満腹中枢が刺激されて、適量の食事でもお腹いっぱいになります。
しかし、あまり噛まないと満腹感を得づらくなり必要以上に食べてしまうことが多くなります。
多く食べていると胃も大きくなり、余計に沢山食べないと満腹を感じなくなり、また食べる量が増えてしまう……というような悪循環に陥ってしまう恐れがあります。
また、脳が満腹を感じ始めるのは食事をはじめてからだいたい15分を過ぎてからと言われています。
ゆっくり食べている人はそのくらいの時間になると満足感を得られますが、比べて早食いの人は満足感を感じるまでにより多くの食べ物をお腹にいれてしまうという場合もあります。
 

口臭、虫歯、歯周病のリスクが上がる

よく噛まないと、当然唾液の分泌量も減少します。
唾液が少ないと自然と口の中が乾燥しがちになってしまい、口臭が強くなります。
また、唾液には口内の汚れをある程度取り除く作用があるため、唾液の減少は虫歯や歯周病のリスクも高めてしまいます。
唾液が自然に出ているときと比較して、口の中が乾燥しているときは、数十倍も虫歯になりやすくなるというデータもあります。
 

消化不良、胃への負担増

何回も噛んで唾液で十分に柔らかくなった食べ物は、消化しやすい状態になって胃に到着します。
しかし、あまり噛まずに飲み込むようにしていると消化がしにくくなり、胃に大きな負担がかかります。
そして早食いをすることで消化不良にもなりやすく、胃痛や下痢や嘔吐、場合によっては胃腸炎などの症状にも繋がります。
 

医科歯科ドットコム編集部コメント

その他にも、糖尿病などの生活習慣病、膵臓への負担、潰瘍の悪化、老化促進などとても多くの悪影響があります。
早食いをしても本当にいいことはありません。あるとすれば沢山食べられて満足、という一時の快楽のみでしょう。
自分は早食いかもしれないな、と感じる人は今日からでも少しずつゆっくり噛んで食べる習慣をつけていくようにしましょう。
 
監修日:2020年1月10日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医