歯の噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病になりやすかったり、自律神経のバランスが崩れて頭痛や肩こりなどの症状が出たりと、さまざまな弊害が生じます。
しかし、噛み合わせの良し悪しは、思いのほか自分ではわかりにくいものです。
また、誤解されやすいところですが、「歯並びがきれいなら噛み合わせも大丈夫」とも限らないため、知らないうちに噛み合わせが悪くなり、体に影響が出ていた…なんてことも起こりえます。
そんな事態を避けるには、まず自宅でできる簡単セルフチェックを試してみるのがおすすめです。
たったの3分で確認できますので、ぜひ実践してみてください。
「歯並びが良いから噛み合わせも良い」とは限らない
普段、私たちが何気なく口にする「噛み合わせが良い・悪い」というのは、そもそもどんな状態を指すのでしょうか。
「噛み合わせが良い」とは、上下の歯が奥歯・前歯ともにバランスよく噛み合い、左右に均等な力がかかっている状態をいいます。
もちろん、あごや骨に痛み・違和感がなく、どれか1本の歯にだけ負荷がかかることもない状態です。
たとえ歯の見た目はきれいでも、「それぞれの歯にかかる力に大きな偏りがある」「口を開閉する度にあごに違和感を覚える」といった場合は、「噛み合わせが良い」とは言えません。
何気ない癖が噛み合わせの良し悪しに影響する
噛み合わせの良し悪しは、老化による歯茎の後退や噛み方の癖や、抜歯に伴う歯の移動によっても変わりますので、セルフチェックを行うことは異常の早期発見にもつながります。
以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
1. 歯列のチェック
鏡に向かって正面を向き、口を「い」と発音する形にして、奥歯を噛み合わせた状態で以下の項目を確認します。歯列が乱れていると、噛み合わせも良くない場合があります。
・歯並びが気になるか
・歯が抜けたままになっているところはないか
・八重歯など、ほかの歯より飛び出している部分はないか
・上の歯と下の歯のあいだに隙間はないか
・下の歯と上の歯、どちらかが手前に出ていないか
・上下の前歯の中心は合っているか
鏡に向かって正面を向き、口を「イ」を発音する形にして、奥歯を噛み合わせた状態で確認します。
歯列が乱れていると、噛み合わせも良くない場合が多いです。
2. 噛み合わせのチェック
噛み合わせは生活習慣や実際に口を開閉させながらチェックしましょう。
確認する項目は以下のとおりです。
・詰め物(被せ物)に違和感はないか
・口はスムーズに開くか、口を開いた際にあごから音がしないか
・うつ伏せで寝る癖はないか
・頬杖をつく癖はないか
・左右の一方ばかりで噛む癖はないか
・歯ぎしりや食いしばりの癖はないか
噛み合わせが悪いと、詰め物や被せ物に違和感があったり、口を大きく開くと顎関節から「カクン」という音がしたりする場合があります。
また、うつ伏せ寝などの生活習慣は、噛み合わせの悪化につながります。
噛み合わせが悪いと、虫歯・歯周病のリスクが高まるだけでなく、顔の左右で筋肉のつき方が変わったり、肩こりや頭痛を感じたりと、美容面をはじめ体のさまざまな場所に影響を及ぼします。
もし、上記チェックポイントに多くあてはまり、「自分は噛み合わせが悪いのかな」と思ったら、ぜひ一度歯科医院で診察を受けてみてください。
医科歯科ドットコム編集部コメント
こんな簡単にセルフチェックができるなんて!
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監修日:2020年01月06日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医