歯科医師監修!エラ張りの原因、咬筋(こうきん)を発達させない方法


できるのであれば誰もが小さくてシャープな顔を手に入れたいと思いますよね。
顔が小さいといわれている芸能人と自分の大きい顔を見比べてしょんぼり……なんて経験もあるかと思います。
顔が大きく見えてしまう原因は様々なものがありますが、「エラが張っていて顔が大きく見える」という人も中に入ると思います。
この「エラ」が張ってしまうと、顔のラインも整って見えず、特に女性の場合は男性のような印象になってしまうこともあり、非常に悩ましい問題かと思います。
この「エラ」はどうして張ってしまうのでしょう、そして対策はあるのでしょうか?
今回は、エラ張り解消のポイントをご紹介していきます。
 

エラが張る原因


写真提供:ミライノデンタルクリニック
 
「エラが張る原因……?それって遺伝的なものでどうしようもないんじゃないの?」と感じている方は多いと思います。
確かに遺伝が原因でエラが張っているという方も中にはいます。
しかし、エラが張る原因の多くが、ある筋肉の変化によるものだという事実はあまり知られていないのです。
その筋肉とは、咬筋(こうきん)と呼ばれる部位です。
咬筋はエラの真上あたりにある筋肉で、食べ物を噛むときに主に使われる筋肉です。
これが発達してくると結果的にエラが張っているように見えてきてしまうのです。
ですから、エラの張りを解消するためには、この咬筋の発達を防ぐことが重要になってきます。
 

咬筋を発達させないためには?

咬筋対策は主に3つの方法が考えられます。
 

●食いしばりすぎない、歯ぎしりをしない

日頃からよく運動をする人ならよくわかると思いますが、グッと踏ん張って力を発揮するときに、意識しなくても歯を強く食いしばることがあると思います。
また、ストレスや怒りを感じたときにしてしまう歯のくいしばりや、寝ている間の歯ぎしりといった行為によっても咬筋ははたらきます。
歯のくいしばりは多くがその人の癖によるものもあり、何かの作業に集中している時にも無意識に歯をくいしばってしまうことに心当たりがある人も多いかもしれません。
例えば多いのが、パソコンやスマホでの作業、特にゲームなどに没頭しているときは要注意です。
こうしたくいしばり、歯ぎしりで咬筋が大きく発達してしまうとエラの張りに繋がります。
対策としては、なるべくこまめに自分の歯の力の入れ具合に気を配ることです。実は「上下の歯が当たっているのは1日24時間のうち20分だけ」で、食事と会話の時以外当たっていてはいけないんです。
口を閉じた時に歯が当たっていないことを意識してください。
逆にその状態を維持できないようであれば、食いしばりをしている可能性があります。
 

●エラのあたりをもみほぐす

咬筋も筋肉ですから、使っているとだんだんと凝ってきます。
しかし咬筋は使わない日がないので、肩凝りのように痛みなどの症状が表れないのです。
そのため、咬筋の張り、凝りには気づきにくいのですが、咬筋も同じように張ったり凝ったりするということを知っておいてください。
そこで、張りを解消するにはやはりマッサージ、もみほぐしが効果的です。食事のときは咬筋が活発に動きますから、食後には間違いなく筋肉が膨張しているでしょう。
ですから、マッサージのタイミングとしては食事を食べ終わった後が最適です。力を入れすぎず、優しく1分程度マッサージしてください。
これが習慣化してしばらく続けると、エラのでっぱりが解消され、見違えるようになってきたケースもあるようで、非常に効果的な対策のようです。
 

●リンパマッサージでむくみ改善

筋肉の凝りの他にも、リンパの流れが悪く顔全体がむくんでしまっているせいでエラが目立っている、という原因が考えられます。
そのため、リンパマッサージをしてリンパの流れを良くしてあげることにより、エラが改善する可能性もあります。
では、以下でリンパマッサージの方法を説明します。
まずは首周りのリンパマッサージから始めましょう。
最初に首の後ろで両手を組み、その手を離し首筋にそって両側からなで下ろしていきます。
その次は耳の下から指全体を使い、首の両側を鎖骨に向かって優しくさすります。次に鎖骨の内側に親指以外の4本の指を入れて、肩先に向かって優しくなぞります。
これでリンパの流れがよくなり、顔全体の老廃物が流れていきます。
これだけでも効果がありますが、これの後に合わせて咬筋付近のマッサージを行うとより効果的になるでしょう。
 

骨格が遺伝によるものの場合は?

以上の対策で確かに張りはほぐれて改善します。
しかし、遺伝的な骨格で生まれつきエラが張っている人はもうどうしようもないのでしょうか?
普通に張ったり凝っている人と比べると改善の効果は薄いのかもしれませんが、それでもエラを目立たせているのはやはり筋肉の張り、凝りなのです。
ですから、遺伝で元からエラが張っているという人でも、これらの対策がすべて無駄だというわけではありません。エラを完全になくすのは骨格の問題上できないかもしれませんが、しかしその目立ち具合を抑えることはできます。
親、親戚もエラが張っていて、これは遺伝だから仕方がないと諦めている人も、まずはこれらの対策を行ってみてください。
少なくとも現状よりは改善することと思います。
 
監修日:2020年01月06日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医