精神面や美容面においても効果が認められているガムの健康に与える影響?


皆さんは「ガム」、噛んでいますか?
近年、ガムの消費量は伸び悩んでいます。
日本チューインガム協会の調査によると、2005年から2017年現在までガムの小売額は減少し続けており、ガム離れが起きているといえるような状況にあります。
 
キシリトールガムに代表されるように、歯の健康に良いガムが存在することは知られていますが、実は精神面や美容面においても、ガムにはすばらしい効果が認められているようです。
歯の健康への影響だけでなく、顔の美しさを保ったり、集中力アップを見込めたり、ダイエットに効果があったりするなど、噛まないのがもったいないと思えるような、ガムの健康効果をご紹介します。
 

ガムが健康に与える良い影響

ガムが健康に与える影響は、どのようなものがあるのでしょうか。
気になる効果を一つひとつ見ていきましょう。
 

脳の活性化

ガムを噛むと、脳が活性化されます。
これは科学的に証明されていることで、ガムを噛み始めると、集中力や思考力がアップし、記憶力や認知力も上がります。
「眠たいときにはガムを噛むと良い」といわれますが、ガムは眠気覚ましになるだけでなく、噛むことで仕事の能率アップが期待できるのです。
 

美肌効果

ガムを噛むと唾液がよく分泌されますが、唾液に含まれる「パチロン」と呼ばれるホルモンは、肌の新陳代謝を促すだけでなく、壊れた皮膚組織を修復する効果を持っています。
そのため、ガムを噛むことで唾液が分泌されると、美肌効果が期待できるのです。また、唾液には「EGF(上皮成長因子)」と呼ばれるホルモンも含まれています。
これは、人間の体を覆う皮膚や粘膜など、上皮細胞の新陳代謝を促すホルモンで、内臓や口の中の粘膜、血管などを含んだすべての細胞の代謝を活性化させてくれます。
ガムを噛むことで、EGFホルモンの分泌も促進され、全身の細胞を若々しく保てます。
 

ダイエット効果

ガムを噛む行為によって、満腹中枢や交感神経が刺激されます。
それにより、食欲が抑えられ、満腹感を得やすくなりますので、食べすぎを防止して太りにくくなる効果が期待できます。
ダイエット中の人は、ガムを噛んでみるといいかもしれませんね。
 

精神安定効果

ガムを噛むと、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が良く分泌されるようになります。
セロトニンは、心を安定させ落ち着かせる働きのあるホルモンといわれています。
セロトニンが分泌されることで、「イライラする」「不安で心が落ち着かない」「眠れない」といった心身の不安症状を和らげ、ストレスを軽減してくれます。
ちょっとストレスを感じたら、ガムを噛んでみてはいかがでしょうか。
 

虫歯を予防し、歯の健康を保つ

ガムと切っても切り離せないのが、キシリトールです。現在、キシリトール配合のガムは、さまざまな種類が製品化されています。
キシリトールは、カロリーが砂糖の75%ほどでありながら、砂糖と同じくらいの甘さを感じさせてくれる甘味料です。
しかも、虫歯予防効果まであるという優れ物!
また、ガムを噛むことによって、唾液の分泌量が多くなり、歯や骨の再石灰化が助けられます。
お口の健康を保つためにも、キシリトール入りのガムを噛むのは習慣化しておくことをおすすめします。
 

ガムの美容健康効果を活かすために注意すべきこと

美容や健康に効果があるガムですが、その効果を得るために気を付けたい点がいくつかあります。
どういった点に気を付ければ良いのでしょうか。
 

甘味料に何が使われているかをチェック

ガムを選ぶ際は、甘味料に何が使われているかをしっかりチェックしましょう。
砂糖が使われている物は、健康面を考えるとNGです。ベストなのは、甘味料にキシリトールを使っている物です。
 

ガムを左右の頬で良く噛むこと

ガムは良く噛むことが大切です。
しかし、ただ噛むだけでなく、頬の左右両方で、均等に噛むように調節してください。片頬だけでガムを噛んでいると、鍛えられる表情筋が偏ってしまい、顔のバランスが悪くなる可能性もあります。
意識して、両方の頬でバランス良くガムを噛むようにしましょう。
 
ガムの持っている健康効果・美容効果について、参考になったでしょうか?
今日からいつものお買い物に、キシリトール入りのガムを加えてみてもいいかもしれませんね。
なお、歯の治療中はガムを噛むことはやめましょう。
 

<参考>
チューインガムの生産量と販売額|日本チューインガム協会

 

医科歯科ドットコム編集部まとめ

噛むだけで美容効果があったとは、びっくりですね!
まずは歯医者で相談してみましょう!
 
監修日:2019年10月30日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医