仕事が忙しくて歯医者さんに行くタイミングをつくれない!歯の健康チェック法を歯科医師が伝授!


「仕事が忙しくてなかなか歯医者さんに行くタイミングをつくれない」
「歯医者さんが苦手で避けていたら、最後にいつ通院したか分からないほど時間が経ってしまった」そんな方は少なくないのではないでしょうか?
 
大人になると、自分で機会を設けなければ、歯医者さんに診てもらうことは無くなります。
とはいえ、特に悪いところが無い(と思っている)状態で通院するのは、なかなか腰が重いという方もいるでしょう。
そこで今回は、自分でできる歯の健康チェック法をご紹介します。
いきなり歯科医院に行くのはハードルが高くても、自宅での簡単な検査なら誰にでもできるはずです。
まずは、自分のお口に意識を向けるところからスタートしましょう!
 

日本人のほとんどが該当!? 虫歯・歯周病のセルフチェック

お口の病気と聞いて、ほとんどの方が思い浮かべるのは虫歯と歯周病ではないでしょうか? 
実際に、歯を失う原因の1位は歯周病、2位は虫歯です。
どちらも非常に身近な病気で、虫歯に至っては、一度もかかったことがない人は100人中5人しか居ないと言われているほどです。
まずは、そんな虫歯と歯周病のチェックから始めてみましょう。
 
虫歯のチェックには、デンタルフロスを使用します。これで全ての歯の間を掃除した後、フロスの状態がどうなるかを確認します。
まず、フロスが歯の間に引っかかったり、糸が切れたりする人は、虫歯の可能性大です。健康な状態であればスムーズにフロスを動かせるはずなのです。また、フロスで絡め取った歯垢(プラーク)が臭い場合も、虫歯になっている可能性があります。
なおフロスに血がつく場合は歯周病の恐れがあります。

続いて、歯周病のチェックです。以下に挙げる項目の中で、自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。
 

歯肉のトラブル

 
・歯肉が赤く腫れている
・歯肉を圧迫すると膿が出る
・歯と歯の隙間が広くなった気がする
・歯がグラグラと揺れる
・歯磨きをすると血が出ることがある
 

その他のお口のトラブル

 
・口の中がネバネバする
・冷たいものを食べたり飲んだりすると歯がしみる
 

生活習慣や全身の病気など

 
・喫煙の習慣がある
・糖尿病を患っている
 
5項目以上当てはまる場合は、歯周病の可能性大です。すぐに歯医者さんを受診しましょう。
また、1つでも当てはまるものがある方も、初期の歯周病にかかっている疑いがあります。
一度歯医者さんに診てもらうと安心です。歯周病は自覚症状がほとんど無く、気付いたときには重症化しているケースが非常に多いものです。
手遅れになる前に、アクションを起こしてください。
 

迷いなくアイスをかじれますか?知覚過敏のセルフチェック

冷たいものや熱いもの、甘いものなどを口にするとしみる知覚過敏。症状が虫歯とよく似ていますが、実は別の病気です。
虫歯のように削らなくても、歯磨き粉を変えたり、専用の薬剤を塗布したりすることで治すことができます。
まずは、以下の項目に当てはまるものがないかチェックしてみてください。
 
・冷たいor熱いor甘いor酸っぱいものを口にするとしみる
・風が当たるとしみる
・歯ブラシを当てるとしみる
・歯肉が下がって歯が伸びたように見える
・歯ぎしりや食いしばりのクセがある
 
以上の項目に当てはまるものが1つでもあり、かつ歯がしみても10秒ほどでおさまる、歯を叩いても痛みを感じない場合は、知覚過敏の可能性が大きいと言えます。「この状態で歯医者さんに行ったら、痛い治療をされるのでは…」と思っている方も、いざ受診してみれば杞憂に終わるかもしれません。ストレスから解放されるために、勇気を出して一歩を踏み出しませんか?
 

万年肩こりの方は要注意! 歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック

歯がかけたり、歯周病が進行したりする原因になる、歯ぎしりや食いしばり。慢性的な肩こりや腰痛、頭痛にも繋がるなど、全身に悪影響を及ぼすことが分かっています。そんな歯ぎしりや食いしばりは、歯が削れてしまうほど強い力がかかっているにも関わらず、実は自覚していない方が非常に多いものです。
「私は大丈夫」と思っているあなたも、以下の項目に当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
 
・朝起きると口の周りやあごが疲れている、だるさを感じる
・歯の先端が削れていたり、歯にひびが入っていたりする
・口を閉じると上下の奥歯がくっつく
・集中しているとき、気付くと歯をかみしめている
・頬の内側や舌に歯形がついている
・肩こりや頭痛、耳の下からあごのあたりのこりに悩まされている
・冷たいものや熱いものを口にするとしみる
 
1つでも当てはまる方は、歯ぎしり・食いしばりのクセがある可能性ありです。
なお、歯ぎしりや食いしばりは、疲労やストレスによって引き起こされる可能性があります。
仕事に家事に子育てに、毎日忙しくしている方は特に、早めのチェックと対策を心掛けてください。
チェック結果があまり良くなかった方は、早めに歯科医に相談した方が良いでしょう。
もし病気だったとしても、早期発見できれば少ない負担で治すことができるはずです。
問題が無かった方も、その状態を保つために歯医者さんで定期的なメインテナンスをしておくと安心です。
こまめにセルフチェックを行い、歯医者を上手に活用して健康なお口を守っていきましょう!
 

編集部まとめ

皆さんはセルフチェックをしてみてどうでしたか?私はいくつもあてはまるものがありました…。
これはまずいですね…。当てはまるものがいくつもある人は、ぜひお近くの歯医者さんを受診してください!
 
監修日:2019年10月29日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医