歯ブラシのしすぎで歯が削れることも!正しい歯磨きを歯科医師が語る!


歯を磨くとき、一生懸命力を込めて磨けば磨くほどキレイになるというイメージをもっていませんか?
実は歯にとっては磨きすぎもよくないのです。良かれと思って磨きすぎていると、実は歯の表面が削れたり、知らず知らずのうちにダメージが蓄積してしまっているかもしれません。
今回は、歯の磨き方の程度について考えていきましょう。
 

歯茎からの出血

歯を磨きすぎると、歯茎から血が出ることがあります。歯茎に傷が付いてしまうと、そこから細菌が歯茎の中に入りやすくなります。
その部分が赤く腫れあがり、炎症が起きてしまったり、歯茎が下がって歯の根元が露出して、知覚過敏になって痛みが出てきたりします。
よく「歯茎もマッサージするとよい」という話がありますが、軟らかい歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目にいれて細かく動かすように優しくあてましょう。
歯茎はデリケートで、硬い歯ブラシなどでゴシゴシ強い力で磨けば傷んでしまいますからあくまでマッサージを意識しましょう。
 

歯の表面にも悪影響?

歯の表面は「エナメル質」という物質でおおわれています。このエナメル質は体の中で最も硬い組織であり、水晶と同程度の硬さがあるといわれています。
このエナメル質の役割としては、歯に対する様々な外からの刺激から歯髄(=歯の神経部分)を守ってくれるという役割があります。
この重要なエナメル質ですが、歯の表面を力強く何度も磨きすぎてしまうと剥がれ落ちてしまうことがあります。
歯磨き粉の中には研磨剤が入っているものもあり、力を入れなくても汚れを十分に落としてくれますから、あまり力を入れて汚れを落とそうとしなくても大丈夫です。
 

磨き方のコツ

では、具体的にどのように磨くのが良いのでしょうか。
歯ブラシは硬さはいろいろありますが、お口の状況にあった物を選択し、あまり力を入れずに細かく動かすように磨くのが良いでしょう。
毛先を歯や歯茎の隙間に入れて手を震えさせる感じで細かく動かすだけでも、間の汚れを取り除くことが十分できます。
デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助器具も有効的です。注意したいこととして、必要以上に同じ箇所を何度も何度も磨かないことです。
そして、食後は口の中が酸性になっていますので、水やお茶などで十分ゆすいでからか磨くか、余裕があれば30分くらい経過してから磨くようにしましょう。
汚れを落としたいからといって躍起になって力強く何度も磨くことは避けるようにしましょう!

 
監修日:2019年12月25日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医