最近は歯を美しく健康に保つことの大切さが浸透し、歯磨き剤のブランドにこだわる人も増えています。
しかし、あなたが今使っている歯ブラシ、いつ頃から使い始めたか覚えていますか?
実は日本人の歯ブラシに対する意識は、歯磨き剤へのこだわりほどには高くないのだそう。
毎日の歯磨きに欠かせないアイテムである歯ブラシに、たまにはもう少し愛と関心を向けてみてはいかがでしょうか?
歯ブラシ交換は年に一度のイベント?
歯ブラシ市場において、最も売上げが伸びるのは年末の時期に集中しています。
つまり、新年と共に歯ブラシも新しくしたい、という気持ちがあらわれているのです。
しかし、使えば減っていく歯磨き剤と違って、歯ブラシは1本を何となく使い続けてしまう傾向があります。
実際に、歯ブラシを交換する頻度は数ヶ月に1回という人が多く、中には本当に年に1回程度の人もいたりと、かなり無頓着と言わざるを得ないのが現実です。
毛先が乱れたら取り替えどき
歯ブラシにも、実は寿命があります。
簡単に見分ける方法としては、ブラシ部分を後ろから見て、毛先がはみ出して見えるようなら交換時期がきていると考えてよいのです。
時期で言えば、だいたい1ヶ月とされますが、これもあくまで目安。
毛先が少々開いただけでも、刷掃力は6割程度に落ちるというデータもあるように、歯ブラシは非常にデリケートな役割を請け負っていると認識しましょう。
古い歯ブラシで歯をイジメないで
毛先の広がった歯ブラシでは、どんなに一生懸命に歯磨きをしても、あまりきれいになっていないということです。
すり減った歯ブラシでは歯垢が十分に落とせないばかりか、手に力が入りすぎて、歯や歯ぐきを傷めることにもなりかねません。
また、新品の歯ブラシの毛先ががすぐに広がってしまう人は、歯磨きの力が強すぎたり大きすぎたりする可能性があるので要注意です。
衛生面でも形勢不利な古い歯ブラシ
古い歯ブラシは、それなりに雑菌がたまっているものです。
歯ブラシの雑菌は、流水でちょっと洗い流した程度で落ちるものではなく、湿った環境のもとではますます繁殖しやすくなります。
口の中をきれいにしようとして、雑菌いっぱいの歯ブラシで適当にこすったのでは意味がありません。
新しい歯ブラシが美しい歯をつくる!
毛先が細くとがっていたり、球状になったりと様々な工夫の凝らされた現在の歯ブラシは、広がらずきちんと揃った状態でこそ真価を発揮します。
歯ブラシを歯に当てる力は、たとえば手の親指の爪の生え際に歯ブラシをそっと押し当ててみて、痛くないという程度が最適です。
つまり、ごくごく弱い力でやさしく磨くのが、歯のためにも、歯ブラシのためにも正しいということです。
適切なスパンで歯ブラシを交換することは、歯磨きそのものと同じくらいお口の健康にとって大切な基本と言って良いでしょう。
監修日:2019年12月25日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医