白すぎても不自然なホワイトニング。ちょうどいい白さを歯科医師が語る


好感度抜群の「白い歯」は、誰もが手に入れたいパーツです。
しかし歯の色は、先天的な要因のほか、人種、生活習慣などによっても個人差が大きく、「絶対的に美しい歯色」という色は存在しません。
言い換えると、好ましい歯の色とは絶対評価でなく、相対評価を基準に議論するべきものなのです。
それでも「真っ白い歯」が一番、という白歯信仰はいっこうに揺らぐ気配がありません。
歯は、単に真っ白ければ本当に美しいのでしょうか?
 

歯の黄ばみの正体は象牙質だった

歯は、表面から透明なエナメル質、象牙質、歯髄からなる3層構造でできています。
通常、外から確認できる「歯の色」は主に象牙質の色で、通常は薄い黄色やオレンジがかった黄褐色です。
歯髄は、神経や血管が通っており、やや赤みを帯びています。
つまり、エナメル質の下にある象牙質の色と、わずかに歯髄の色を透かして見える色が、その人本来の歯の色ということになります。
 

エナメル質と象牙質の微妙な関係とは

平均的な日本人の歯はやや黄色味が強いのが特徴ですが、これはエナメル質の層がもともと薄いために、象牙質の色味が強く出やすいのがその理由です。
また、エナメル質は石灰化の度合いが高いほど透明になるので、象牙質の色がより反映されて黄味よりの色に、また石灰化が弱いと灰色がかった色に見えます。
 

暗めの肌で歯の白さが際立つ?

歯の色は、人種によっても違います。
白人はエナメル質が厚いために、白っぽいかグレーがかっている人が比較的多いのですが、もともと肌が白いと歯のくすみが目立つため、ホワイトニングではかなり明るめのトーンが好まれます。
アフリカ系などの人種の場合、歯が白く目立つ人がいますが、肌色の暗さとのコントラストが強いために、歯の白さが際立って見えることもあります。
このことから、歯の色の「印象」は、肌の明るさとも密接に関わりあっていることが分かります。
 

「白すぎる歯」の問題点とは

平均的な日本人の肌色である、やや黄味がかったベージュを基準に考えると、歯だけが真っ白なのは非常に不自然と言えます。
歯の色と肌映りとのバランスは、思っている以上に見ている人には強い印象を与えるのです。
 

自然で美しい歯色を実現する最新のホワイトニング

歯を白く見せたいとき、日焼けサロンに通ったり、化粧品で日焼け肌を演出するのももちろん一つの方法です。
しかし、現在の審美歯科で行われている歯のホワイトニングでは、歯色や明度を測定するシェードガイドを用いて、最も自然でありながら、美しく見える歯の色を目指しています。
肌色とのトータルバランスにこだわったホワイトニングで、さりげなく垢抜けた大人の女性を目指しましょう!

 
監修日:2019年12月18日
 

監修医 プロフィール

医療法人社団 輝 藤本歯科長洲医院
藤本 俊輝
歯学博士
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医