見た目、噛みごこちともに、自然な歯に仕上げることができる「インプラント治療」。ただ、費用がかかり、治療期間も長いところが悩みどころでもありますよね。
今回は、インプラント治療のスケジュールと治療期間についてご紹介します。
インプラント治療期間は意外と長い!
治療期間は、平均3~10か月ほどだと言われています。
インプラント治療は、アゴの骨に穴をあけて歯根を埋め込む外科手術であるため、虫歯の治療に比べるととても長いのです。
しかし、平均期間に大きな開きがあるように、個人差が大きい治療でもあります。
口内環境や骨の太さ、大きさ、柔らかさなどが治療期間の長さに影響します。
またインプラント治療を行う前に、虫歯や歯周病がある人は先にその治療を優先しなければなりません。
加えて、インプラント治療で最も大切なのが「メンテナンス」です。
キチンとした歯磨きに加え、定期健診を受けてメンテナンスを徹底しなければいけないため、治療期間が終わったからといって、その後何もしなくてよいわけではないのです。
インプラント治療の回数と流れ
それでは、インプラント治療の各工程の期間や回数について見てみましょう。
精密検査と治療計画・カウンセリング
まず最初に行うのが治療方針の確定です。
インプラント治療を行うためにはまずその人の歯や骨格、かみ合わせなどを正確に把握しなければいけません。
その為、レントゲンやCTスキャンを使用して現状を把握し、それから治療プランや金額、通院期間等のカウンセリングを行います。
この際、歯や歯周組織に異常が見られた場合はその治療を優先して行うことになります。
1次手術
インプラントを埋める深さや骨の状態によってインプラントのキャップが歯茎から露出した状態で埋め込む場合(1回法)とインプラントをキャップごと歯茎の中に完全に埋める場合とがあります(2回法)。
最初の手術は、歯茎を切開してアゴの骨を削り、インプラントを埋め込みます。
場合によっては、歯茎の切開も行わないこともありますが、現状では切開する方法が一般的です。手術は1~3時間程度で終わり、その日のうちに帰ることができます。
定着期間
インプラントと骨が結合し定着するまで、約1か月半~6か月ほど時間を空けます。
その間に消毒や抜糸といった通院を挟みます。インプラントを埋め込んだその日のうちに土台を立てて仮歯を入れる方法もありますがこれも現状では一般的ではありません。
2次手術
2回法でインプラントを埋める手術をした場合、二度目の手術で粘膜を切開して埋め込んだインプラントの頭を露出させ、「ヒーリングキャップ」と呼ばれる粘膜の形を整えるキャップを装着します。
人工歯の装着
その人に合った人工歯を作り、2次手術の1~6週間後に、アバットメントと呼ばれるインプラントと人工歯の間の土台となる部分と、その上に装着する人工歯を被せて治療終了です。
場合によってアバットメントを装着し、その上にプロビジョナルレストレーションと呼ばれる仮歯を装着して見た目やかみ合わせを調整してから最終的な人工歯を製作することもあります。
インプラント治療は口の中の状態だけでなく全身疾患の有無やその状態、服用している(していた)薬によっても治療の可否が判断される場合もあります。
手術の回数、治療期間、治療費等、歯科医師とよく相談して気になることは事前に何でも相談したうえで治療を受けましょう。
監修日:2019年10月23日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医