歯医者といえば、歯が痛いときに行くところですよね。たしかに、虫歯治療は歯科の一番重要な施術でしょう。ですが、最近の歯医者では虫歯治療の枠をはるかに超えた、さまざまな診療を行っているのです。
特に、あまり知られていない予防歯科という分野では、美しく健康な歯を保つことを目的とした施術を行っています。
せっかく化粧や髪形に気を使っても、ふとした時にのぞく歯が汚れていては男性もがっかりしてしまいますよね。美しい歯は、その人の表情をより豊かで魅力的に見せてくれます。
歯医者を上手に利用して、虫歯だけではなく見た目も美しく治療してもらっちゃいましょう!
保険適用の治療ってなに?
歯医者を利用するうえで覚えておきたいのが、保険適用の治療と保険適用外の治療(自由診療)の2つ。
保険適用の治療というのはそのまま、健康保険を適用できるものですね。
自由診療とは、健康保険による治療費の補てんがなく、かかった費用のすべてを患者本人が負担するものです。
保険が適用される治療にはしっかりとした決まりがあるため、治療内容が同一であればどの歯医者へ行っても治療費は変わりません。
一方、自由診療には決まりはなく、治療法や使用する素材が同一であっても、歯医者によって治療費は異なります。
保険適用の場合には、金銭面での負担の少ないかわりに、あらかじめ決められた範囲での治療しか行えません。そのため、患者は治療法や素材を限られた中でしか選択することができません。
反対に、自由診療は金銭面の負担は保険適用の治療と比較すると大きくなる分、治療法や使用する素材の選択肢が増えます。
歯の詰め物やかぶせ物に自然な見た目の物を使用したい、といった場合には自由診療となってしまう可能性が高いということですね。
保険適用の治療でできること
一般的に自由診療となってしまうことが多い審美(美容歯科)関連の施術。では治療によって見た目も美しくなり、しかも保険が適用されるような治療はあるのでしょうか?
一昔前には虫歯を削って金属で蓋をするという治療が一般的でした。磨きにくい奥歯などは子供の虫歯によく見られ、奥歯の治療痕に銀をかぶせているという人も多いはずです。
ふだんは目立ちませんが、うっかり大きな口をあけると見えてしまいますし、ふだん目立たないからこそ相手の印象に残ってしまう可能性も高いですよね。
実は最近では、歯を削った後には金属だけではなくプラスチックで詰め物をすることが選べるようになりました。素材は詰め物でも乳白色なので、一見すると本物の歯か治療した歯なのかじっくり見ないとわかりません。
歯医者さんにいえば過去に治療してある銀歯をプラスチックなどの白い詰め物に変えることができる場合もあり、保険適用で施術できることがあります。
保険治療が適用できるかどうかは治療箇所の状況によって異なるため、気になる方は施術前に歯科医に相談してみるといいですよ。
ちなみに、歯にかぶせものをする場合には基本的に金属を使用することが多いため、白いかぶせ物は保険適用外だと思われがちですが、前歯から数えて4番目と5番目の歯は、プラスチック素材などを使用することで保険適用となります。
「銀歯以外は保険適用外で高価なので無理‥」とあきらめていた方には朗報ですよね。
ただし、プラスチックはセラミックに比べると経年劣化が早いので、長年使用することで変色したり破損する可能性がありますので、そちらと費用とを考えて選びましょう。
一方でこれまでの施術で一般的だった銀歯は、唾液によって金属イオン化した銀の粒子が歯茎に浸透して、歯茎を黒くしてしまうという問題もあります。
歯茎が黒いと不健康で清潔感のない印象を与えてしまいますので、見た目が気になる部位の治療時には、歯科医とよく相談をした上でどの素材を使用するか検討するといいでしょう。
また、虫歯の治療後などに歯にこびりついた歯石や汚れをクリーニングでキレイにしてもらうことができます。定期的に歯をクリーニングすることで、歯周病や歯肉炎の予防にもなりますし、着色汚れ(ステイン)もある程度は取り除けるでしょう。
こちらも保険適用で行えるケースが多く、こまめにクリーニングをすることでキレイな歯を保つことができるので、虫歯検診と同時に歯石除去も可能か相談してみるといいですよ。
キレイな状態を長持ちさせるフッ素塗布もおすすめ
直接的に歯をキレイにする施術ではありませんが、クリーニングなどでキレイにした歯を長持ちさせるためにもおすすめなのがフッ素塗布です。フッ素には歯の再石灰化を助けたり酸の生成を抑え酸から歯を守ったりする効果があります。
そのため、虫歯予防の1つとして受けられる施術になっています。
特に成人へのフッ素塗布は、あごの骨や歯茎がやせてしまってむき出しになった歯の内部(セメント質や象牙質)を守り、虫歯になるリスクを下げてくれる効果が期待できます。
13歳以下であれば保険適用となるケースもあり、大人の場合には保険適用外ですが1,000円~3,000円程度で施術可能なようです。ただし、歯医者によってはフッ素塗布を行っていないところもありますので、事前に確認するといいでしょう。
こまめな治療でお得にキレイな歯を
虫歯の検査や歯石除去のためにこまめに歯医者に通うというのは、お金もかかるし面倒に思えますよね。
ですが、虫歯や汚れが深刻化する前にこまめに治療を受けることで、結果的に保険適用で受けられる施術も増え、歯をキレイな状態に保つことができます。
定期的に歯医者へ通って、美しい歯を維持できるようにしましょう。
医科歯科ドットコム編集部コメント
歯にかかるお金を安く抑えるためにも、歯医者さんへは定期的に通わないといけないんですね。実は私も、予約が面倒だし、クリニックへの足は遠のきがちです。そんなときこそ医科歯科.comです!簡単にWEB予約ができるので、私のようなめんどくさがり屋さんにうってつけだと思います。
監修日:2019年12月10日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医