「甘いものばかり食べていると虫歯になる」と、小さいころに誰もが一度は言われたことでしょう。チョコレートや飴、ドーナツなどは確かに虫歯になりやすく、このセリフが間違っているわけではありません。一体、虫歯になりにくいのはどんなおやつなのでしょうか?子育てに役立つ、虫歯になりにくいおやつの見分け方、幼児へのおやつの与え方について紹介します。
虫歯の危険度を決めるのは「歯へのくっつきやすさ」
なぜ、同じように甘いおやつでも虫歯になりやすい物となりにくい物があるのでしょうか。それは、「虫歯の危険度」はおやつに含まれる糖分の量よりも、口の中に食べかすが残る時間によって決まるからです。虫歯は、口の中の虫歯菌が歯にくっついた糖分を食べ、酸を出して歯を溶かしてしまうことで起こります。歯にくっつきやすかったり長く口の中に残っていたりするようなおやつは、細菌に長い時間エサを与えることと同じなので、それだけ虫歯になりやすいというわけです。「虫歯の危険度」からおやつを分類すると、およそ次の3グループに分けられます。
危険度が低い(糖分が少なく、口の中にも残らない物)
おせんべい、クラッカー、ナッツ類など
危険度はやや低め(糖分はあるものの、口の中に残りづらい物)
果物、生クリームケーキなど
危険度が高い(糖分があり、口の中に残りやすい物)
チョコレート、あめ、キャラメル、カステラ、クッキーなど
わが家の「おやつルール」を決めることが大事
虫歯を作らない基本は、虫歯菌が酸を出す機会を減らすことです。そこで、どんなおやつをあげるかということに加えて、おやつのあげ方も重要になります。具体的には、次のようなことに気を付けるといいでしょう。
おやつの時間を決める
時間を決めずにだらだらとおやつを与えてしまうと、口の中に常に食べ物があるので、虫歯菌が酸を作りやすい環境になってしまいます。おやつの食べすぎでご飯が食べられないことにもつながりますので、おやつは時間を決めてあげましょう。
飲み物にも注意を払う
見落としがちですが、甘いジュースだけでなく清涼飲料水やスポーツドリンクにも糖分がたくさん含まれていますので、おやつと同じ配慮が必要です。普段の水分補給はお茶や水を中心にしましょう。
食後のケア
おやつ後には歯磨きをするのがベストですが、難しければお茶で口をゆすいだりキシリトールガムやデンタルリンスなどを活用したりといった選択も検討したいものです。何もしないより、ちょっとしたことでも取り入れてみましょう。
1回に食べる量を決める
だらだら食べるのを防ぐには、おやつの時間だけではなく1回にあげる量を決めるのも良い方法です。
これらを参考に、「わが家のおやつルール」を作って習慣化してみてはいかがでしょうか。「何」を「どうやって」食べるかといった幼いころからの習慣は、大人になったときの基本となります。おやつを選ぶ際には、ぜひ糖分と口の中に残る時間の2つを念頭において、おやつの食べ方にも気を付けてみてください。
医科歯科ドットコム編集部まとめ
自分の子どもにあげるおやつのこと、真剣に考えないといけないなと思いました。子どもを歯医者へ連れて行って早速虫歯のチェックをお願いしてきます!
監修日:2019年10月16日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医