美しい歯並びは、より洗練された素敵な口元をつくります。「生まれつき歯並びが良く、口元の美しさには自信がある」「長い矯正治療を乗り越えて、理想の歯並びを手に入れた」そんな方は、いつでも人目を気にせず思い切り笑うことができ、明るくハツラツとした雰囲気を纏っていることでしょう。きっと、口元が自身のチャームポイントであるはずです。
しかし、歯並びは大人になってから、または矯正治療を終えた後でも変化することをご存じでしょうか? あなたの自慢のチャームポイントは、いつの間にか失われてしまうかもしれないのです。ここでは、歯並びが悪くなる後天的な原因をご紹介します。いつまでも口元美人でいるために、しっかり知識を身につけましょう!
原因1 忙しい、面倒くさいが命取り! 歯科治療の中断で歯並びが悪くなる
歯科治療は、複数回の通院が必要になることが多いものです。仕事などの都合で予約をキャンセルし、「予約を取り直さなくては」と思っているうちに時間が経って、ついつい忘れてしまうなどということは珍しくありません。歯が抜けたままになっていたり、歯のかぶせ物や詰め物をする予定の場所が、何も歯がない状態が続くと、隣の歯や反対側の歯が移動してきてしまい、その周囲の歯を中心にどんどん歯並びが悪くなってしまいます。どんな事情があっても、少々間が空いてしまっても、歯科治療は必ず完治するまで続けるようにしましょう。
原因2 現代人のほとんどがかかる歯周病で歯並びが悪くなる
歯周病が進行すると、歯を支えている骨を溶かしてしまいます。これによって歯茎が下がり、歯がグラグラと揺れて、歯並びが大きく変わってしまうのです。歯周病は、日本人の8割以上がかかっているとも言われる非常に身近な生活習慣病です。自覚症状がないままに進行してしまうことが特徴なので、定期検診をきちんと受けるなどして、日頃から予防と早期発見に努めましょう。
原因3 無意識の歯ぎしり・食いしばりで歯並びが悪くなる
睡眠時など、無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりも、歯並びを悪くする要因になります。この場合、最も人目につきやすい上の前歯が外側に倒れてしまうことが多く、口元の印象をガラリと変えてしまうのです。また、歯周病の原因にもなり、様々な角度から歯並びに悪影響を及ぼします。朝起きて口周りの筋肉がこわばっていたり、歯が磨耗していたりする場合には、歯医者さんに相談して改善に取り組みましょう。
原因4 鼻炎の方は要注意! 口呼吸で歯並びが悪くなる
特に鼻炎の方やお子さんによく見られる口呼吸も、歯並びが悪くなる原因になります。口呼吸が続くことで口の周りや舌が歯を押す力のバランスが崩れるため、本来の正しい位置から下顎の位置が後方に下がって上の前歯が出るようになります。これによって特に横顔のバランスが悪くなるのです。口呼吸は、枕を見直したり、口に貼り付けて鼻呼吸を促すテープを使用したりすることで改善が見込めます。また、肥満体型だと口呼吸になりやすいので、太り気味の方はダイエットにも取り組みましょう。
原因5 頬杖ついて考えごとはNG! 動作のクセで歯並びが悪くなる
日常の些細な動作の癖の中にも、歯並びを悪くするものがあります。具体的には、
・頬杖をつく
・爪やペンを噛む
・舌で歯を押す
・横向きで寝る
などが挙げられます。
また、食べ方にも注意が必要です。数回咀嚼してすぐに飲み込んでしまったり、前歯以外の歯で食べ物を噛み切ったりしていると、歯並びは次第に悪くなってしまいます。歯に余計な負担をかけず、正しい形で使うことを習慣づけてください。
自分に当てはまる項目はあったでしょうか?
歯並びが悪くなると、見た目に影響するだけでなく、歯を磨きにくくなることで虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。噛み合わせが悪くなれば、全身のバランスも悪くなってしまうでしょう。
いつまでも健やかで美しい笑顔でいるために、ぜひ歯並びを崩さない生活を心掛けてください。
医科歯科ドットコム編集部コメント
当てはまる項目はありましたか?なんとなく心配だなって思ったらクリニックに行ってみるのもアリですね!ご予約は医科歯科.comからできます。
監修日:2019年12月2日
監修医 プロフィール
藤本 俊輝
日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅱ講座兼任講師
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本磁気歯科学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医