みなさんはお口の中に細菌がたくさん潜んでいることをご存知ですか?その細菌の中の歯周病菌や虫歯菌が増えると歯周病が悪化してしまいます。歯周病に多くの人が簡単にかかってしまう原因、そして歯周病によって他の病気になる可能性もあることについて歯科医師に聞きました。
目次
- お口には約700種類の細菌がいる!?歯周病の原因は歯磨きの仕方にあった
- 歯科医師が答えた!歯周病の治療法は歯垢と歯石の除去について
- 症状が出る前に歯医者さんで予防を
1.お口には約700種類の細菌がいる!?歯周病の原因は歯磨きの仕方にあった
Q:【原因】歯医者さんで歯周病と診断される場合、原因はどんなことが考えられるでしょうか?
A:歯周病の原因は細菌です。お口の中には約700種類の細菌がいるといわれていますが、その中で歯周病菌や虫歯菌の数が増えると症状が悪化します。また歯周病菌は全身の健康にも影響し、歯周病菌が血管に入ると心筋梗塞のリスクが高まることや、気道や肺に入ると誤嚥性肺炎を引き起こしたり、妊婦さんでは胎児の発育に影響したりすることがわかっています。
また糖尿病のある方、喫煙される方は歯周病になると悪化する可能性がたかいので早期発見し、早期治療が必要です。
A:原因として一番多いのは、やはり歯磨きが不十分なケースです。お口の中の環境・歯並び等は、一人一人違います。ですから、使用する歯ブラシのタイプや磨き方も一人一人変わります。また、鏡を見ながら歯磨きをしていても、歯の裏側や奥の方までは見えにくく、十分なブラッシングは非常に困難なため、細かい部分に汚れが残り、歯周病の原因となります。その他にも、咬み合わせや飲み薬の副作用等、原因の種類は多数あります。一度、歯医者さんで診てもらいましょう。
A:主に磨き残しの汚れによるものですが、全身疾患(呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病など)、喫煙も関係あります。歯に付着している場合汚れは落ちにくくしっかりと歯ブラシを、しないと落ちません。喫煙は歯茎を固くし出血を抑えるので自覚症状が出にくいです。
A:歯周病の最大の原因は歯石の蓄積です。歯石は歯垢と細菌が混ぜ合わさり石のように硬くなったものですが、歯周病を起こす細菌がなければ歯石で歯周病になることもありません。しかし、歯周病は口移しや食器の共用で幼少時から完全するのが普通です。
歯周病の原因について5名の歯科医師の回答から以下5つにまとめました。
1.お口の中で虫歯菌や歯周病菌の数が増えると症状が悪化する
2.磨き残しがある、歯石が溜まっている
3.かみ合わせや飲み薬の副作用など
4.全身疾患 (呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病など)や喫煙から来るものなど
5.口移しや食器の共用
上記のように、歯周病にはさまざまな原因があります。
歯医者さんでケアしないと原因をなくすのは難しい部分もありますが、磨き残し、口移しや食器の共用を避ければ自分でも気をつけられる部分もあることが分かりました。
2.歯科医師が答えた!歯周病の治療法は歯垢と歯石の除去について
Q:【治療】歯周病治療では、歯医者さんでどのような治療法がありますか?クリニックの治療法を教えてください。
A:原因である歯周病菌を減らすことが治療です。そのためにはまず細菌の塊である歯垢と歯石の徹底除去をおこないます。そして菌の繁殖しやすい原因である
不良な金属冠などの修正、歯並びの改善、必要な場合には内服薬で炎症を改善することもあります。歯がグラグラと動いてしまっている場合には、動かないように固定をし、かみ合わせの調整も行います。
A:歯周病治療としては、まず歯肉の腫れや出血、歯垢・歯石の付き具合等を確認し、患者様ご自身に口の中の状態と治療計画を説明します。それから、ブラッシング指導や機械・器具による歯石除去等、患者様一人一人に合わせた歯周治療を行っていきます。歯周病と言っても、軽度から重度まであり、症状の進行具合によって外科処置等も必要になってくる場合もあり、症状によって治療期間も異なります。歯茎の炎症等がある程度落ち着いてきたら、徐々に通院の間隔をあけていき、定期的なクリーニングに移行していきます。
A:徹底的なブラシのやり方を習熟していただくことと、衛生士さんや歯医者さんによって歯石、歯垢を取り除くこと。この2本立てでほとんどの患者さんで改善が見られます。骨のダメージが大きい重症の場合、それに加えて外科的な骨と歯根の清潔化が必要になることがあります。最近では再生治療による歯周組織の再建も行われるようになっています。それらの治療が成功したら終わりではありません。その健康を保っていくために定期的なお手入れが必須になります。
歯医者さんでの治療法は、軽度と重度によって治療法や期間も異なることが分かりました。いずれにせよ歯周病菌を除去するため、歯垢と歯石を落とす治療はおこなわれます。そして正しいブラッシング方法を教わり、汚れが着きにくくする環境作りを自分でできるようにすることです。さらに定期的に歯医者さんに通いクリーニングをすることで、お口の健康状態を維持します。
3.症状が出る前に歯医者さんで予防を
歯周病になると全身の健康に影響する病気のリスクが高まるという回答もありました。歯周病は突発的に起こるものではなく、日常のケアの甘さや全身疾患 (呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病など)、喫煙なども原因でなるということが今回のアンケートで分かりました。
またその対策も自分でできるものもあり、日々の歯磨きや定期検診などを通して、お口を清潔に保つことの重要性を再確認できたと思います。
一般的に予防歯科は3~6ヶ月に1回受診するのが目安と言われているので、長らく歯医者さんにかかっていない方は診てもらうことをおすすめします。
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参考ページ
「平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)」より
金子 諒航(Yoshikazu Kaneko)