新型コロナウイルスの感染症で自粛要請が出されて長くなりますね。イベントや飲み会、仲間と集まりづらいなどストレス発散ができず、辛い日々です。
そんな中でも気持ちを元気に保つ方法があります。
今回は産業医事務所 合同会社ケンワーク代表 津田健司(つだ けんじ)医師に、ぜひ今の時期取り組んでほしい5つの行動を教えていただきました。
心を健康に保つ5つのステップ
英国のNHS(国民保険サービス)が心の健康に大事な5つのステップを提唱しています。
1:Connect 他者とつながる
スポーツの中でもチームスポーツのほうがメンタルヘルスに対するポジティブな影響が大きいことが知られていますし、「社会的孤立」は高齢者の寿命を短くします。
2:Be active 活動的になる
運動のメンタルヘルスへの好影響については数多く報告されていますし、社会的孤立と同様に「閉じこもり」も高齢者の死亡率の上昇に関連することが知られています。
まずは1日20分程度の散歩を始め、草木や花の匂いや様々な音、今まで気づかなかった大きな木や、複雑なビルの形などに意識して目を向けて見るとポジティブな効果があると思います。
3:Keep Learning 新しいスキルを身につけていく
料理でも楽器でも自転車の修理やDIYでもよいので、新しいスキルを身に着けていくことが自信に繋がりますし、そこから新しい人間関係も生まれて来ます。
4:Give to Others まず他人に与える
これはありがとうと言うのでもいいですし、笑顔を向けるのでも、地域のボランティアや献血をするのでもいいです。
返報性の原理といって、人は他人から何かもらうと、お返しをしたくなってしまう生き物です。情けは人のためならずともいいますが、まずは他人に対してポジティブな働きかけをすることで人間関係も広がりますし、最終的には仲間や味方が自分の周りに増えていくことになります。
5:Be mindful 現在の自分の心や体の状態に集中する
過去や未来についてではなく、現在の自分の心や体の状態に集中することです。
マインドフルネスというと若干の怪しさを感じる方もいるかも知れませんが、元々は仏教の瞑想に由来します。やり方は基本的に座禅と同じです。目を閉じて呼吸と整え、 周囲の音に耳を傾けます。そして自分の呼吸に意識を向け、自分の内面に注意を向けていきます。
2007年にGoogle社が企業研修にマインドフルネスを取り入れたことで、有名になりました。
科学的にも色々と検証されていて、不安障害やうつ病には潜在的な効果があるとされています。機序についてははっきりとはわかっていませんが、瞑想やゆっくりとした呼吸が、コルチゾールやカテコラミンなどの不安を引き起こすホルモンのレベルを低下させることや、認知行動療法としての側面が指摘されています。
医科歯科ドットコム編集コメント
直接の対面でなくても人とのコミュニケーションをとったり、ジムへ行かずとも人の少ない時間に散歩をするなどで運動ができます。
ご自身にあった方法で、ぜひこの5つを実践してみてください。
取材日:2020年3月12日
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プロフィール
<略歴>
1984年生まれ/千葉県出身
2003年開成高校卒業
2010年北海道大学医学部卒業/同年より亀田メディカルセンター初期研修医
2012年より同院血液腫瘍内科後期研修医
2013年より帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科後期研修医
2014年より助手
2015年より帝京大学大学院医学研究科第一臨床医学専攻博士課程
2018年博士課程早期修了/博士(医学)
2018年合同会社ケンワーク代表社員
<資格>
日本医師会認定産業医
日本血液学会血液専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定医
抗加齢医学会抗加齢専門医
<YouTubeにて医学専門知識をわかりやすく解説中♪>
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