毎月のように生理痛でパフォーマンスが落ちる時期があるというのは、仕方ないと思っていてもつらいものがありますよね。
でも耐えるだけ、痛み止めで抑え込むだけじゃない選択をしてもいいんです。
ピル=避妊の印象が強いですが、それだけじゃない。
女性の味方であるピルの使われ方について、薬剤師の成田理恵(なりた りえ)さんに教えていただきました。
不順や痛みなど、月経での困りごとに効く
月経困難症でホルモンバランスが崩れている方は、低用量ピルを飲むことによりホルモンバランスが整います。
月経周期が乱れている方や、出血量が多い方は安定した月経周期に近づけることができるので、日々の生活がかなり楽になります。
また子宮内膜症の、異常な細胞が増えることを抑える効果がありますので、内膜症による月経痛の緩和にもなります。
月経スケジュールのコントロールもできる
婦人科やレディースクリニックでは中用量ピルで月経移動する場合もありますし、低用量ピルのほうが悪心などの副作用が出にくいのでそちらを使うなど、二通りあるかと思います。
低用量ピルの場合はホルモンの量が少ないので、人によっては月経をずらしきれない可能性もあるかと思っています。
中用量ピルのほうがホルモン量も多いので、より確実に月経の周期移動ができるかなと思います。
しかし低用量ピルのほうが悪心などの副作用が少ないので、そちらを使う医療機関も多いです。
月経リセットとして不妊治療にも使われる
中用量、高用量製剤は月経のリセットとしても使いますし、妊娠を希望している方が排卵しても授からなかった場合、次の排卵までのリセットを早める目的で使うことなどでも一般的です。
月経のリセットは低用量でもできますが、ホルモン量の多い中用量のほうがリセットしやすいです。
経口避妊薬(OC)に関しては、21日間(7日間休薬)もしくは28日間(7日間のプラセボ入り)に渡り飲み続けるようシートに入っています。
こちらは全て同じホルモン量の一相性と、三段階に変わる三相性があります。
中用量ピルは切って使えるというメリットもあります。副作用や金額の差などもあるかと思いますので、どちらがいいかは医療機関にご相談ください。
ホルモンバランスが整うとおさまるものも
肌荒れが改善されることも
にきびの原因の1つにアンドロゲンというホルモンがあります。
そのアンドロゲンもピルで抑えることができるので、ピルを服用することによってホルモンバランスの安定やニキビ、肌荒れに効くことがあります。
ニキビは月経前のホルモンバランスが崩れる時に出やすいのですが、ピルを飲むことによってかなり改善される方もいます。
ただしどのピルにするかは先生との相談で決めていただくものになります。
PMS(月経前症候群)にも効果的な場合も
初潮前、妊娠中、男性、閉経後の方は起こらないということでPMS(月経前症候群)自体がまず女性ホルモンに関連していることはご存じの方も多いかと思います。
PMSの症状はホルモンバランスがうまくいってないないことで起こる精神的症状や身体的症状ですので、それに対して効果がある場合も多いでしょう。
医科歯科ドットコム編集コメント
月経痛が酷い場合などは痛み止めなどを飲むだけでなく、婦人科でピル含めた治療を受けるということもぜひご検討いただければと思います。
取材日:2020年2月26日
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プロフィール
成田 理恵 (なりた りえ)
昭和大学卒業
ミネ医薬品株式会社にて11年勤務
ヨガのインストラクターを取る為同社退職
結婚後現在も薬剤師として勤務