【専門医に聞く】アイプチはもう使わない!?「二重まぶた」ってどんな仕組みなの?

――美容形成外科の先生に「二重まぶた」についてインタビューしました。
 
毎朝、アイプチを使って二重まぶたにしている方は意外と多いと聞きます。手術で二重まぶたをつくる方法もありますが、実際にどんな手術方法があるかご存知ですか?
 
そこで今回は、美容形成外科医であり、六本木の老舗クリニック「サフォクリニック」の 白壁 聖亜(しらかべみあ) 医師にお話を伺いました。

 

「二重まぶた」を作る手術について教えてください

二重まぶたを作る手術には3つの方法があり、①「埋没法」と②「切開法」、そして当院で行っている③「ビーズ法」というものがあります。
 
それぞれの手術法を説明する前に、二重まぶたの仕組みを知っていただいたほうが分かりやすいかと思いますので、まずは「そもそも二重まぶたはどのようにして出来るのか?」について説明させていただきます。

 

そもそも「二重まぶた」は、どのようにして二重になっているのでしょうか?

まず、人の上まぶたには皮膚がありますが、その下に「眼輪筋(がんりんきん)」という目を閉じるときに使う筋肉があります。それから「瞼板(けんばん)」というものがあり、それはまぶたを触ると硬い部分になります。
 
その瞼板というものが上にスライドすることで、目が開くようになっています。まぶたを上にスライドする時に使う筋肉を「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」といいます。その眼瞼挙筋が、瞼板を引っ張ることで目を開くことができます。

 

二重がしっかり出ているまぶたとは?

「二重まぶた」とはどのようなものかといいますと、瞼板の前にある皮膚とくっついている「瞼板前組織(けんばんまえそしき)」というものがあり、それがしっかりくっ付いている人ほど二重がしっかりくっきり出る、ということになります。
 
――それではあらためて、二重まぶたの手術についてお話を伺います。どのようにして二重まぶたができるのでしょうか?

 

「埋没法」について教えてください

埋没法には2つの種類があります。瞼板の方に糸をかけて付ける「瞼板法」と、挙筋に付ける「挙筋法」があります。

 

埋没法には一点固定と三点固定があります

いわゆる簡単に手術時間が短くて、ほぼ腫れずに出来る方法としては、瞼板にくっつけるタイプの一点固定でやるタイプもあります。
 
すごく簡単ですし、腫れも少ないのですが、ただやはり瞼板前組織にくっつけているということと、一点しか固定していないという意味では、コンタクトをされたり、メイクでアイラインを引く際にまぶたを引っ張ったりすると、割りと外れやすくなってしまうことがあります。なので、一点固定という方法はあまりお勧めしていません。
 
当院では三点固定を行っています。また更に瞼板前の組織ですと、やはり少し外れやすい傾向がありますので、しっかりとその上にある挙筋(目を開けるときに使う筋肉)というところに結び付ける「挙筋法」でやっています。そうすることで、挙筋をぐっと上げた時にしっかりとした二重を作ることができます。
 
また、まぶたが厚い方の場合は、埋没式に目頭切開や脱脂(だっし)という方法を加えることもあります。(次回の記事に続く)

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

二重まぶたの手術は大きく分けて「埋没法」「切開法」「ビーズ法」の3種類があるそうです。今回は埋没法について白壁医師に説明していただきましたが、切開法やビーズ法についても引き続きお話を伺っていきます。

 
取材日:2019年12月16日
 

プロフィール

サフォクリニック
形成外科専門医・美容外科医・美容皮膚科医
白壁 聖亜 医師
 
<所属学会>
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本レーザー学会
 
美容外科として80年の歴史を持つ老舗クリニック
サフォクリニック 理事
祖父、父と続く美容形成外科医3代目であり、
「機能する美のデザインを追求」
が美容形成外科医としての理念である。
 
兵庫県芦屋市出身
スイス名門校Institute Le Rosey卒業後、
米国ニューヨーク州シラキュース大学で心理学専攻。
途中突如医師になることを決意し帰国。
大検取得し、帝京大学医学部入学。
卒後は東京大学医学部付属病院で研修、
湘南鎌倉総合病院形成外科勤務を経て形成外科専門医を取得
現在美容外科,美容皮膚科医として活用し
2児の母でもある。