つらい花粉症を根本的に治すには〇〇に薬を置き飲み込むだけ!その治療法とは?

 
3月中旬も過ぎ、あたたくなり過ごしやすい季節になってきましたが、花粉症の方にはつらい季節ですね。
 
そのつらい花粉症を根本から治すための治療について「とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科」院長 國井直樹(くにいなおき)医師に伺います。
 

 

子どもでも治療が受けられる!舌下免疫療法とは?

そもそも花粉症でくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出るのは、体内に入ってきたアレルゲンを体外に出そうとする免疫による防御反応によるものです。
 
その反応を和らげるため、アレルゲンを身体に慣らし、アレルギー症状を軽くしていくという治療を減感作療法と呼びます。
 
以前はアレルゲンを注射していましたが、舌下免疫療法では注射の必要はなく自宅で行うことができます。
 
ーーどうやってアレルゲンを身体に慣らすのか?
 
舌の下に錠剤を1,2分ほど置き、錠剤が溶けたら飲み込みます。これを1日1回、毎日行って、少しずつ慣らしていきます。現在、スギ花粉とダニに対する治療を行うことができます。
 
ーー何歳から可能か?
 
舌の下に錠剤をおいて、溶けるまでの1,2分間じっとしてさえいられれば、小さなお子さんでも受けることが可能です。個人差はありますが、当院では概ね5,6歳から行っています。
 
できるか心配なお子さんには、事前にラムネを舌の下おいてみて、じっとしていられるか試してもらっています。最初の治療は院内で指導しながら行います。
 
ーー通院回数や治療の期間はどれくらい?
 
落ち着けば月1回の通院で済みます。治療期間は3~5年です。
 
治療の期間が長くなるため、スギ花粉症の症状が強い方が希望させることが多いです。
 
ーー治療の注意点は?
 
治療開始後は舌の下が腫れたり、飲み込んだあとにのどがいがいがしたり、といった症状が出ます。これらの症状はほとんどの場合、数週間から数ヶ月で改善します。
 
減感作療法のこわい副反応として、重症アレルギーである「アナフィラキシー」が起きる可能性がありますが、以前行っていた注射による減感作療法に比べて危険性は著しく減りました。
 
舌下免疫療法は必ずしも全ての方に有効な治療法ではありません。治療を行いながら効果を確認していく必要があります。
 
スギ花粉症は自然に治ることが少ない病気ので、根本的に治せる可能性がある舌下免疫療法は多くのスギ花粉症患者様に受けて頂きたい治療だと思っています。
 
3~5年と治療期間が長いこともあり、治療を始める前に十分に説明をさせていただいたうえで、十分理解をしていただくことが大切だと考えております。

 
取材日:2020年2月13日
 
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プロフィール

とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科
院長 國井直樹(くにいなおき)
 
<経歴>
2003年3月  山梨医科大学 卒業
2008年3月  千葉大学大学院博士課程 卒業
2008年4月~ 千葉大学耳鼻咽喉科 助教
2009年4月~ 船橋市立医療センター耳鼻咽喉科 医長
2010年4月~ 米国ペンシルバニア大学に留学
2012年4月~ 帰国後は千葉大学にて耳鼻いんこう科診療や免疫学の研究、学生教育に従事
2019年5月~ とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科開院
 
<資格>
医学博士
耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医
耳鼻咽喉科専門研修指導医
アレルギー学会認定 アレルギー専門医
がん治療認定医
耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医