【眼科医が解説】1日使い捨てコンタクトが花粉症に効果的!

 
花粉症の飛散量が3月に入り多くなってきました。鼻だけでなく、目のかゆさも耐え難いものです。
 
普段何気なくしているコンタクトレンズなども、もしかするとその症状を悪化させているかも知れません。春のこの時期に知っておきたい花粉症の対応を「とだ眼科」院長 箕田宏医師に、教えていただきました。
 

 

4人に1人以上が悩む花粉症

日本では4人に1人が花粉症と言われます。その原因として代表的なのはスギ花粉です。
 
やはり圧倒的にスギの花粉症の人が多いです。
 
日本の特徴として杉の木自体がとても多いというのもあります。
 
またアスファルトで舗装されている為、花粉が落ちてもまた舞い上がる環境となっており、春は常に日本人は花粉にさらされている状況です。
 
他にも花粉症の原因として知られるのはヒノキや、夏から秋にかけてはイネ科の植物やブタクサがあります。
 
春が圧倒的に多いですが、秋も花粉症に悩む患者さんが少なくありません。

 

自分でできる花粉症への対策

 

1日使い捨てコンタクト利用で花粉を溜めない


2週間または1ヶ月使用のソフトコンタクトレンズは、毎日、目から外した際にこすり洗い、化学洗浄液にてのお手入れをされていると思います。
 
実はその作業だけではレンズに付着した花粉を完全に除去することはできません
 
徐々に花粉の付着量が増すことで花粉症を重症化させてしまいます。
 
ハードコンタクトレンズの場合は洗浄することでその日に付いた花粉を落とすことができます。
 
ですがソフトコンタクトレンズを常用している方がハードコンタクトレンズに変更をするのは、その異物感に慣れにくい場合があります。
 
ソフトコンタクトレンズでも、1日使い捨てタイプは花粉が付いたものを毎日捨てることができます。
 
花粉の季節に目に与える影響としては、1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズもハードコンタクトレンズもほぼ同じかと思います。
 
ですので普段、2週間や1ヶ月タイプのソフトコンタクトレンズを使っている方が、花粉の季節だけ使い捨てタイプに変更することは有効かと思います。
 

花粉を身体に入れない工夫を

予防としてはやはり花粉をできるだけ身体につけない、目に入れない、鼻から吸わないようにするということが大事です。
 
それを防ぐマスクやメガネの装着は効果的です。
 
洋服への付着も多いので外から戻ったら掃除機で吸ったり、部屋に持ち込んでしまった花粉はまめに掃除をするなどの対策をすることも効果があると思われます。

 

医科歯科ドットコム編集コメント

できるだけ症状が酷くならないよう、自分で気を付けることは大事なことですね。
 
ツライ時は我慢しすぎず、クリニックをご受診ください。薬での対応とご自身での重症化予防の両方が、みんな悩む花粉の季節を切り抜ける重要な要素です。

 
取材日:2020年1月20日
 

プロフィール

とだ眼科 院長
箕田 宏 医師
 
<経歴> 
東京医科大学卒
北海道大学医学部癌研 ウイルス研究生
市立根室病院 眼科部長
東京医科大学 医学部医学科臨床医学系眼科分野 客員講師
 
<専門分野> 
眼感染症
ぶどう膜炎と網膜硝子体疾患