【眼科医に聞く】目のかゆみが気になる季節!花粉症?ウイルス性?

コロナウイルス(COVID-19)でも結膜炎症状が出る可能性が示唆されましたが、この時期一番結膜炎の症状が出るのは何より花粉症です。
 
花粉症に眼科ではどのように対応されているのか、またちなみに結膜炎はアレルギー性とウイルス性はどう違うのか、「とだ眼科」院長 箕田宏医師にお伺いしました。
 

 

花粉症は後天的に出来上がり発症していく

花粉症とは、花粉に対する後天的なアレルギーです。
 
ある程度の年齢になり免疫が発達すると、花粉にさらされた際、身体の中でそれに対する抗体が作られて免疫細胞ができていきます。
 
その後、また花粉にさらされると、免疫が花粉に対して攻撃をするようになります。
 
その際に出る、化学物質が花粉症の症状を引き起こします。

 

花粉症で目に出る症状は結膜炎がメイン

2月から4月というのは、眼科はどこも花粉症の患者さんでいっぱいになります。
 
眼科では目のかゆみ、充血、涙が出るなどの結膜炎の症状がメインです。
 
耳鼻科の症状のくしゃみ、鼻水、鼻のかゆみなどが出る方も多いので、眼科、耳鼻科両方にかかる方も多いです。

 

結膜炎はアレルギー性の他ウイルス性も


結膜炎にはアレルギー性と、ウイルス性があります。しかし所見のみで判別は難しい事が多いです。
 
傾向としては、アレルギー性結膜炎は痒みが強く、鼻や喉の症状も伴い易いです。
 
対して、ウイルス性結膜炎は風邪症状も伴ったり、耳や顎のリンパ節が腫れることもあります。

 

薬を併用して症状を抑えていく

 
花粉症による目のかゆみに対する治療法は基本的には、出た症状に対して対処していく対症療法になります。
 
処方される点眼薬としては、アレルギーの仕組み自体に作用する抗アレルギー薬を使用し炎症を起こす化学物質の放出を防ぎます。
 
それでも炎症を起こし、かゆくなったり、涙が出る場合は、弱めのステロイドを中心とした消炎点眼薬の追加を検討します。
 
実際、多くの患者さんに抗アレルギー点眼薬と消炎点眼薬が処方されます。
 
また内服薬も効きますので、抗ヒスタミン薬など内服の抗アレルギー薬も併用することがあります。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

点眼薬だけでなく、症状に合わせてクリニックでは対処してくれますので、花粉症でかゆみが酷い時は眼科を受診ください。
 
またコロナ感染での結膜炎の示唆が出ていますが、眼科学会より、現状では、結膜炎の所見だけから新型コロナウイルス感染症を診断することは困難とのお知らせが出ています。
 
結膜炎症状があってもそれだけで判断せずに、周知されている肺炎症状等ありましたら適切な機関への連絡をされるようにしてください。

 
取材日:2020年1月20日
更新日:2020年2月19日
 

プロフィール

とだ眼科 院長
箕田 宏 医師
 
<経歴> 
東京医科大学卒
北海道大学医学部癌研 ウイルス研究生
市立根室病院 眼科部長
東京医科大学 医学部医学科臨床医学系眼科分野 客員講師
 
<専門分野> 
眼感染症
ぶどう膜炎と網膜硝子体疾患