【医師に聞く!花粉症対策】つらい鼻づまりを緩和させるにはレーザー治療とは?

 
3月になると少しずつ暖かくなり過ごしやすくなってきましたが、花粉症の方は、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどの症状がではじめ、外出時するのが億劫になってしまう時期かもしれません。
 
今回は、「鼻づまりの症状を緩和させるレーザー治療」についてを「とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科」院長 國井直樹(くにいなおき)医師に伺います。
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鼻づまりの症状を緩和させるレーザー治療とはどんな治療?

アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療は、鼻の粘膜表面の組織にレーザーを照射して、その組織を縮小させ鼻の通りをよくさせることを目的に行います。効果は術後1ヶ月後から現れ、概ね2年ほど持続します。その後、元に戻ってしまう方もいるので、その場合には再度レーザー治療を行うこともできます。
 
人によって効果の持続する期間は異なります。1年で効果が弱まってしまう人もいますが、7年以上効果が続く方もいらっしゃいます。
 
治療は日帰りで、麻酔薬をしみこませたガーゼを鼻の中に入れて粘膜を麻酔した後、レーザーを照射します。手術自体は15分程で終わります。術後1週間は鼻づまりが悪化しますが、一ヶ月ほどで症状は改善してきます。
 
花粉症のお薬を飲んでもあまり鼻づまりが改善しない方は、鼻づまりの症状を抑えるレーザー治療を検討してみてはいかがでしょうか。

 

花粉が飛散する前に治療を済ませておくのがベスト

スギ花粉症の方がレーザー治療を受ける場合には、効果が現れるまで1ヶ月かかりますから、スギ花粉の飛散開始前にうけることをおすすめします。
 
花粉の飛散開始日は例年2月の中旬から下旬頃なので、遅くとも1月下旬には受けた方が良いです。

 

鼻づまりの改善イコール嗅覚が戻るとは限らない

もともと鼻づまりがある方は少なからず嗅覚障害をお持ちの場合があります。
 
レーザー治療により、その鼻づまりが取れれば嗅覚が改善するか、と聞かれることがありますが、嗅覚障害の原因が副鼻腔炎である場合には、レーザー治療を行って鼻づまりが取れても嗅覚は戻りません。
 
副鼻腔炎がないかどうか調べてから、レーザー治療を行うことをお薦めします。

 

レーザー治療後はお薬は飲み続けなくてよい?

レーザー治療によって鼻炎を起こす粘膜が縮小しますので、鼻づまりだけではなく鼻水やくしゃみも減りますが、その効果は人それぞれです。
 
レーザー治療は内服治療でも改善が認められない重症な方に対しておこなうことが多いので、レーザー治療後に症状が改善して薬が要らなくなる方もいらっしゃいますが、必ずしも全員でお薬がいらなくなる訳ではありません。
 
それでも症状が軽くなったり、薬の量を減らしたりすることができますので、症状の重い方は検討してみてはいかがでしょうか?

 
取材日:2020年2月13日
 
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プロフィール

とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科
院長 國井直樹(くにいなおき)
 
<経歴>
2003年3月  山梨医科大学 卒業
2008年3月  千葉大学大学院博士課程 卒業
2008年4月~ 千葉大学耳鼻咽喉科 助教
2009年4月~ 船橋市立医療センター耳鼻咽喉科 医長
2010年4月~ 米国ペンシルバニア大学に留学
2012年4月~ 帰国後は千葉大学にて耳鼻いんこう科診療や免疫学の研究、学生教育に従事
2019年5月~ 開院
 
<資格>
医学博士
耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医
耳鼻咽喉科専門研修指導医
アレルギー学会認定 アレルギー専門医
がん治療認定医
耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医