【医師に聞く】膣のゆるみ・尿もれの悩み改善法!原因は筋力の低下?

 
意外と多くの女性が尿もれを経験していると言われています。なかなか人には言いづらい悩みですよね。
 
美容皮膚科医である「渋谷スキンクリニック」院長の吉田 貴子(よしだ たかこ)医師に、原因と治療法を伺いました。尿もれだけでなく、出産によって起こりやすいと言われる「膣のゆるみ」についてもお話されています。
 

人に言えない悩み「膣のゆるみ」「尿もれ」の改善を目指す

――「美容婦人科」では、どのようなことをしているのですか?
 
美容婦人科」は女性器に特化した科です。
 
しかし、子宮頸がんや子宮内膜症といった一般的な婦人科の病気を扱うものではなく、女性特有の人に言えないようなトラブルを解消することを目指しています。具体的には、「膣のゆるみの改善」「尿もれの改善」に対してレーザーを用いて治療をおこなっています。
 
膣は年齢とともに筋力が低下し、筋力が落ちてくることによってしまりも弱くなると言われています。特に出産を経験した方は、膣のゆるみ具合が出産経験のない方よりも起こりやすいと言われています。
 
それによって起こる症状は、例えばお風呂から上がった後に膣からお湯がでてきてしまうとか、または性行為時の不快な感覚や感覚の低下がありますね。そういったようなことが自覚症状として挙げられます。
 
また、出産によって「尿もれ」が起こりやすくなるという問題もあります。個人差があるのですが、尿もれも筋力の低下によって起こりますので、その経年的な変化の解消を少しでも目指します。
 
――レーザー治療とは、どのようなものですか?
 
膣の引きしめに対して受けていただくレーザーの種類は、CO2レーザーというレーザー機械を使ったものです。細かいドット状にその照射をまんべんなく当てることによって、細かく膣の表面を傷つけることで粘膜や皮膚の再生を高める目的でおこないます。
 
――レーザー治療は何回くらい受けるものですか?
 
受けていただいた方の体感の度合いにもよるのですが、お勧めは月に1回、最低でも3回を推奨しています。

 

年齢と共に膣の中の常在菌が変化してしまう

――オリモノの変化に対して、医院でされている治療を教えてください
 
膣の中の環境は経年的に変化が起こり、「オリモノ」にも変化が起こると言われています。具体的には匂いや色、そして粘稠度(ねんちょうど)に変化が起こります。これらは、膣からの分泌物の低下が原因と言われていて、加齢によって膣の中の常在菌に変化が起きるためだと言われています。
 
CO2レーザーで膣の引きしめを起こすと尿もれの改善にもつながります。オリモノも若い頃のような匂いや色が気にならないものに近付くと言われています。

 

骨盤の奥の方の筋肉を「キュッ」としめて筋力トレーニング

――予防のために自分でできるケアはありますか?
 
「膣のゆるみ」と「尿もれ」はどちらも連動している部分があり、共通は筋力のゆるみや低下です。従って、普段から骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と言われる尿を我慢するときに使う筋肉を意識することが大切です。
 
骨盤の奥の方の筋肉を「キュッ」としめるような癖を付けると、膣もゆるみにくくなります。同時に、尿もれもしにくくなると言われています。それがご自分でできる膣のケアだと思います。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:予防のために膣を引きしめるトレーニングをしよう!

膣のゆるみ、尿もれの改善について吉田 貴子(よしだ たかこ)医師に教えていただきました。こういった症状で悩まれている方はレーザー治療で改善できるようです。
 
また、これらは筋力の低下によって起こるため、予防のために膣を引きしめるトレーニングをおすすめします。

 
取材日:2019年10月25日
 

プロフィール

吉田 貴子(よしだ たかこ)医師

皮膚科・美容皮膚科医 「渋谷スキンクリニック」院長
一般皮膚科と美容皮膚科の両方を開設し、男女問わずあらゆる肌の悩みに向き合う。著書に「ヘアピンでもできる!毛穴スッキリ!美肌メソッド」がある。
 
<略歴>
帝京大学医学部 卒業
同大学付属病院皮膚科学教室 勤務
東京警察病院皮膚科 勤務
帝京大学付属溝の口病院皮膚科 修練生
東京都内クリニック 前院長
<所属学会>
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本小児皮膚科学会会員
日本臨床皮膚科医会会員
日本禁煙学会会員