【スギ花粉による鼻炎症状】アレルギー科って何ですか?専門医が解説!

 
3月はつらい花粉症のシーズンですが、アレルギー症状をもつ人は意外と多いようです。病院にはアレルギー科という科目がありますが、実際にどのような診療をするのでしょうか?
 
今回はアレルギー科という分野について、耳鼻咽喉科専門医であり、アレルギー専門医でもある「とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科」院長 國井直樹(くにいなおき)医師にお話を伺いました。
 

 

そもそもアレルギーとは過剰な免疫反応

私たちの体には、たとえば細菌やウイルス、食物、ダニ、花粉など、自分の体の成分と違うものが体の中に入ってきたときに、これを異物として認識して攻撃し排除する仕組みがあります。
 
外から入ってきたものと、元々自分に備わっているものを区別して、外から入ってきたものだけを排除しようという働きのことを「免疫」と呼びます。
 
アレルギーというのは、免疫反応が過剰に働いてしまって、そのために自分自身に不利益をもたらしてしまうものです。
 
たとえば、鼻に風邪のウイルスが入ってきたらこれを異物と判断し、鼻水をたくさん出してウイルスを鼻の外に出して身体を守ろうとします。同様に、スギ花粉が入ってくると鼻水で花粉を外に出そうとするのですが、鼻水が過剰にぶんぴつされるととても不快に感じることになります。

 

複数の診療科が関わっているアレルギー科

 

代表的なのは耳鼻科、皮膚科、内科、眼科など

 

代表的なアレルギーの病気としては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあります。
 
主にアレルギーの病気を診察するのは、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科の5つの診療科です。
 
各診療科が連携して、アレルギーセンターを開設している病院もあります。
 
アレルギーの病気は合併しやすく、例えば1人の患者様が気管支喘息はとアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー結膜炎を患っていた場合、5つの診療科をそれぞれ受診するのではなく、アレルギー科で全ての診療を行うことができれば都合が良いと思います。

 

アレルギー症状のなかで耳鼻科が担当しているのは「鼻炎」

耳鼻咽喉科医が担当する主なアレルギー疾患はアレルギー性鼻炎です。
 
アレルギー性鼻炎は、主にダニやハウスダストに対するアレルギーである「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギ花粉症に代表される「季節性アレルギー性鼻炎」に大きく分かれます。
 
ダニや埃は家の中に一年中あるので、これらに対するアレルギー反応は一年を通して症状が出ることになります。
一方、季節性アレルギー性鼻炎の代表であるスギ花粉症は春にしか症状がでません。
 
全ての耳鼻咽喉科専門医はアレルギー性鼻炎の診療を行うことができますが、それ以外のアレルギー疾患も合わせて診察を受けたい場合にはアレルギー専門医を受診することをお勧めします。

 

医科歯科ドットコム編集コメント

アレルギー性鼻炎には季節性と通年性の2種類があるそうです。
 
アレルギー性鼻炎と思われる症状がある場合は、耳鼻咽喉科とアレルギー科を両方標榜しているクリニックを受診するとよいでしょう。

 
取材日:2020年2月13日
 
医科歯科.comではクリニックの検索&予約ができます
 

プロフィール

とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科
院長 國井直樹(くにいなおき)
 
<経歴>
2003年3月  山梨医科大学 卒業
2008年3月  千葉大学大学院博士課程 卒業
2008年4月~ 千葉大学耳鼻咽喉科 助教
2009年4月~ 船橋市立医療センター耳鼻咽喉科 医長
2010年4月~ 米国ペンシルバニア大学に留学
2012年4月~ 帰国後は千葉大学にて耳鼻いんこう科診療や免疫学の研究、学生教育に従事
2019年5月~ とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科開院
 
<資格>
医学博士
耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医
耳鼻咽喉科専門研修指導医
アレルギー学会認定 アレルギー専門医
がん治療認定医
耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医