【耳鼻科医に聞く】始まったスギ花粉症!抗原が9割一致のヒノキ花粉は5月まで症状が続く!?

 
春一番が吹いて気温が上がってくると、スギ花粉の本格的なシーズンの始まりですね。鼻や目の症状が段々と辛くなる時期ですが、これはいつまで続くのでしょうか?
今回は花粉によるアレルギーについて「とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科」院長 國井 直樹(くにい なおき)医師にお話を伺います。
 

 

花粉症は鼻づまり、鼻水、くしゃみだけじゃない

スギ花粉症の三大主徴としましては、鼻づまり、鼻水、くしゃみがあります。加えて、目のかゆみなども多くの患者さんが訴えられます。
 
のどのかゆみや違和感を訴えられる患者さんもいますが、スギ花粉症が原因でのどに症状がでる場合があることが最近わかってきています。

 

花粉症でノドがかゆくなることがある

 
喉頭アレルギー」という疾患の概念が確立していまして、症状として、長引く空咳やのどのかゆみ、違和感などがあり、人によってはのどが痛いと言われる場合もあります。
 
患者さんも風邪と間違うことがありますし、私でもお話を伺っただけでは区別がつきにくく、実際にのどの診察をしてみないと、ほかの疾患との見分けはできません。

 

花粉症はスギ花粉症だけではない!

 

“花粉”だけでも60種類!春先以外も花粉は続く

例年2月の中旬からスギ花粉が飛散し、少し遅れてヒノキの花粉が飛散します。ヒノキ花粉は5月の連休明け位までがシーズンです
 
そのあと、夏にはイネ科の花粉、秋には北海道以外でブタクサの花粉が飛散します。
 
日本国内で確認されている花粉症の原因となる植物由来の花粉は60種類以上報告されており、様々な花粉が鼻炎症状を起こすと言われています。

 

スギ花粉症の人はヒノキ花粉にも気を付けたほうがよい


じつはスギ花粉症の人はスギの時期が終わったらそれで終わり、ではないことが多くあります。
 
スギとヒノキの花粉の抗原性は9割くらい一致していると言われます。スギ花粉症の方は、ヒノキの花粉に対しても症状がでる可能性が高く、両方に気を付けたほうがいいと思います。実際に検査をしてみると、スギとヒノキの両方にアレルギーをもっている方が非常に多いです。
 
スギ花粉症の症状はだいたい4月の終わりまでで落ち着きますが、ヒノキ花粉症の症状は5月の連休明けまで症状が続くことが多くので、そこまで気を付けていただければと思います。

 

医科歯科ドットコム編集コメント

花粉のシーズンに、のどに痛みを感じるときは風邪や花粉症の可能性もあるでしょう。2月のスギ花粉から5月のヒノキ花粉まで影響を受けるとなると、4ヶ月ほど症状に悩まされることになります。
症状がつらい場合は、早めに耳鼻科で診察をしてもらい体調を落ち着かせたいですね。

 
取材日:2020年2月13日
 
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プロフィール

とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科
院長 國井 直樹(くにい なおき)
 
<経歴>
2003年3月  山梨医科大学 卒業
2008年3月  千葉大学大学院博士課程 卒業
2008年4月~ 千葉大学耳鼻咽喉科 助教
2009年4月~ 船橋市立医療センター耳鼻咽喉科 医長
2010年4月~ 米国ペンシルバニア大学に留学
2012年4月~ 帰国後は千葉大学にて耳鼻いんこう科診療や免疫学の研究、学生教育に従事
2019年5月~ とねり耳鼻いんこう科・アレルギー科開院
 
<資格>
医学博士
耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医
耳鼻咽喉科専門研修指導医
アレルギー学会認定 アレルギー専門医
がん治療認定医
耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医