【救急医が答える】生活の中で起こりうる病気や事故、ケガの予防・対処法を聞いてみました!

 
病気や事故、ケガはいつどこで起こるか分かりません。突然起こるそのときの前に、正しい処置について知っておく必要があります。
 
救命救急の現場で活躍されていた小川智也(おがわともなり)医師に、普段の生活の中で起こりうる病気や事故、ケガについてお話しを伺いました。

 

生活の中で起こりうる病気や事故、ケガの対処法について

――掃除など、普段の生活の中で気を付けることはありますか?
 
エアコン掃除などでハウスダストを吸い込み、アレルギー症状を発症してしまう場合があります。
 
また、気管支炎や肺炎にまで悪化してしまう方もいますので、十分な換気をおこないながら、マスクをして掃除をすることが大切です。

 
――ぎっくり腰になってしまった場合の対処法を教えてください
 
家に一人でいる場合はむやみに動かず、楽な姿勢で安静を保つようにしましょう。
 
なるべく腰に負担がかからないような体勢(膝を軽く曲げ横向きに寝る、仰向けに寝た状態でタオルや枕を太ももの下に置き、下肢を高くあげる等)を取り、痛みが和らぐのを待ちましょう。
 
もし、ご家族など連絡を取れる方がいれば連絡をして介助を求めてください。痛みがあまりにも激しく、体勢を変えることができない場合は、無理をせず救急車を呼んで頂いた方が良いと思います。

 
――子どもの腕を引っ張って、腕が抜けた場合どうしたら良いですか?
 
腕が抜けた状態は、肘内障(ちゅうないしょう)を起こしている場合が多いので、すぐに病院で治してもらいましょう。
 
受診の際、お子様の状態を見てすぐ肘内障と診断できる場合がほとんどですが、症状に至った理由によっては、骨折を伴っている場合もあります。
 
そのため、どのような状況で起こったのか、簡単に説明していただくと、お子様に負担をかけることなく診断・治療がおこなえます。

 
――包丁で指や手を切ったときの対処法を教えてください
 
まずは傷口を水で洗浄し清潔な状態にしたうえで、患部を圧迫するなどして止血を試み得てください。
 
生魚の処理や、清潔ではない食べ物を調理するために使用した包丁であれば、傷口から細菌が侵入してしまうことが考えられます。
 
細菌感染を起こしてしまう危険性もあるため、水道水で患部洗浄は大切です。状況を見て、出血が止まらない場合は救急外来を受診し、処置を受けてください。

 

編集部コメント:慌てずに対処し、気になることがあれば医師へ相談しましょう

普段の生活の中で起こりうる病気や事故、ケガについて小川智也医師に教えていただきました。
 
病気や事故、ケガは意図せず突然起こることがほとんどです。対処法について知っていれば慌てずに済みますね。自分でどうにもできないような場合は、すぐに医師に相談し診てもらいましょう。

 
取材日:2019年12月13日
 

プロフィール

小川智也(おがわともなり)
救急科専門医 MBA

2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。

国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。

2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。

2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画

自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。