インフルエンザは3月になっても油断できない感染症です。自分は感染しないだろうと予防接種を避けてはないでしょうか?
ときにはインフルエンザも重症化することがあるそうです。また、健康な人でも「サイトカインストーム」という状態が、ウイルス感染によって引き起こされることもあります。
そこで今回は、「ケンワーク」代表の津田 健司(つだ けんじ)医師にお話を伺います。
伝達物質が過剰になって身体を傷つける「サイトカインストーム」
まずサイトカインというのは身体の中の情報伝達物質です。
身体に細菌やウイルスが入ると炎症が起き、そのことを情報として伝えて対抗する処置がとられていきます。しかしその炎症が起きたぞというシグナル自体が増えすぎてしまうことを「サイトカインストーム」と言います。
問題となるのは、正しいシグナルでも、増えすぎると身体を傷つけてしまうことです。血管から水分を逃がしてしまったり、肺に水が溜まりやすくなったりなど、色々な悪さをサイトカイン自体がしてしまいます。
コロナウイルスのときも死因としてニュースになることがありましたが、急性呼吸不全となるARDSなど、より重症な肺炎につながっていきます。
命にかかわる重症化を防ぐ方法とは?
ワクチン接種が重症化リスクを下げる一番の方法
一番大事なのはインフルエンザワクチンを打つことです。
日本で、子どものワクチンの接種率は、色々な統計がありますが50%ほどで、大人は30%くらいです。だいたい全体で40%くらいというデータがあります。やはりまだまだワクチン接種率が低いといえます。
ワクチンを接種すると重症化を減らせると明らかなデータがありますので、基本的にはワクチンを打ってもらうのが一番科学的には重症化をさけられると言えます。
基礎疾患に日頃からしっかり対処を
もうひとつは他の病気を引き起こす原因となる基礎疾患です。
特に糖尿病があるとか、腎臓が悪いとか、合併症がある場合、二次性の病気である肺炎など重症化の可能性が高くなります。
そのため基礎疾患のある方は日頃からしっかり治療をしていく、元々の病気をちゃんと直していくということが大事だと思います。
医科歯科ドットコム編集部コメント
予防接種をするのと一緒に、健診などで早めに体調の変化に気づくことも大事ですね。多くの病気の基礎疾患となる糖尿病や腎臓病も健診で分かれば、早期に治療していくことができます。
取材日:2020年2月12日
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プロフィール
<略歴>
1984年生まれ/千葉県出身
2003年開成高校卒業
2010年北海道大学医学部卒業/同年より亀田メディカルセンター初期研修医
2012年より同院血液腫瘍内科後期研修医
2013年より帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科後期研修医
2014年より助手
2015年より帝京大学大学院医学研究科第一臨床医学専攻博士課程
2018年博士課程早期修了/博士(医学)
2018年合同会社ケンワーク代表社員
<資格>
日本医師会認定産業医
日本血液学会血液専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定医
抗加齢医学会抗加齢専門医
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