【薬剤師に聞く】つらい鼻水…「漢方薬」は花粉症の症状改善に使えますか?

――薬のことなら薬剤師に聞け!「漢方薬」について教えてもらいました
 

 
スギ花粉に悩まされる季節。
 
アレルギーの薬を服用している方は、薬の飲み合わせが気になることもあるのではないでしょうか?
 
今回は「漢方薬」は花粉症の薬の飲み合わせとして選択肢にできるのか?というテーマです。
 
漢方は自然の生薬とはいえ、医療機関でも使われる薬だろうし...薬のことなら薬剤師さんに聞こう!ということで、薬剤師である(株)ミナカラ児玉 亮二さんにお話を伺います。

 

「花粉症の症状改善」によく使われる漢方薬はありますか?

 
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)という漢方薬は、鼻水をおさえることを期待してよく使われますし、咳を抑えることを期待して麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使うこともあります。それらは花粉症の薬と併用して使う選択肢にもなるでしょう。

 

漢方薬の選び方、というものはあるのでしょうか?

 
漢方の場合、風邪の症状にはこれ、という感じで選ぶのではなく、身体の症状や特に体質(例えば太っている、痩せている、汗っかきなど)によって選ばれるものが変わってきます。
 
そのため、他の人が体質に合って勧められたから自分も同じ漢方を使用する、というのは避けたほうがよいです。きちんと自分の症状や体質を医師や薬剤師に相談して、どの漢方を使用するかを決めることをお勧めします。

 

漢方薬はどんな薬と一緒に飲んでも大丈夫ということでしょうか?

 
漢方薬と他の薬との飲み合わせに関してですが、西洋薬と同じように、成分ごとの作用がありますので、全ての漢方が大丈夫だというわけではありません。
 
一番誤解していただきたくない点ですが、漢方薬だから体に優しいですとか、何を飲んでも大丈夫、0歳児でも問題ない、などということはないということです。
 
漢方薬もあくまでも薬ですので注意してほしいと思います。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

漢方薬について薬剤師の児玉亮二さんに教えていただきました。花粉症の薬と併用しやすい漢方薬には小青竜湯や麦門冬湯があるとのこと。
 
漢方薬は身体に優しいイメージはありますが、あくまでも薬という認識をもって、飲み合わせに関しては医師や薬剤師に相談してみるとよいでしょう。

 
取材日:2020年1月31日
 

プロフィール

児玉 亮二(こだま りょうじ)
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
 
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中
 
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画