2020年1月頃から中国の武漢市を中心に猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)ですが、インフルエンザと同程度の感染力と言われています。
2月13日夜遅く、日本で渡航歴がなく武漢市と関連がない人の感染が報告されています。
考えられる感染経路や感染症の予防について、津田 健司(つだ けんじ)医師にお話を伺いました。
感染予防は、手洗いとアルコール消毒、咳エチケットが基本
――新型コロナウイルスの予防方法は?
コロナウイルスの基本的な拡散方法は、インフルエンザと同じです。飛沫感染と接触感染がありますので、インフルエンザと同様の対応が有効だと思います。
具体的にはしっかり手洗いをすること、アルコールで手や指を消毒すること、咳のエチケットとして、つばを飛ばさないように咳をするときは服のそでで口を覆う、あるいはマスクをするということが大切です。
あとは顔に手を持ってこない、基本的に手は色々なところを触りますので、汚染されている可能性が高いです。手で目をいじったり鼻をかいたりしないことです。
マスクをすることで、顔をいじらないことに役立ちますので、そういう意味では感染者以外の人がマスクをするのは良いと思います。
<参考>
咳エチケットとは(厚生労働省)
「糞便感染」の可能性があるので、トイレからの感染に注意
――感染経路で気を付けるべき場所は?
同じコロナウイルスのSARSのときにも「糞便(ふんべん)感染」があったと言われています。つまり、便からもウイルスがうつるということです。
アメリカ人の症例で、便からもコロナウイルスが出ていたと言われています。データを見ると、2~10%くらいのコロナウイルス感染者で、下痢や嘔吐など、お腹の症状が出ています。
インフルエンザや風邪でも、下痢になる人がいると思います。同じようにコロナウイルスも下痢をする人がいて、そうした人の糞便(ふんべん)からウイルスが排泄されます。
従って、公衆トイレなどから多くの人に感染するということが考えられます。今の日本の場合は、そんなに神経質になる必要はないと思いますが、むやみに公衆トイレを使用しない方が良いです。
また、トイレを流す時にしぶきが舞って空気中に漂いますので、きちんとふたを閉めてから流すようにしましょう。
そして、トイレの周りをむやみに触らないよう、ペーパー越しに触るなど工夫した方が良いと思います。
医科歯科ドットコム編集部コメント
考えられる感染経路と感染症の予防について、津田 健司(つだ けんじ)医師に教えていただきました。
渡航歴がなく武漢市と関連がないとされている人の感染が報告され始め、より一層の予防が大切になります。
基本となる手洗い、アルコール消毒、咳エチケットをしっかり行い、感染拡大させないように気を付けていきたいですね。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)は「糞便(ふんべん)感染」の可能性も考えられます。人が多く集まる駅など、公衆トイレからの感染に注意しましょう。
取材日:2020年2月12日
医科歯科.comではクリニックの検索&予約いただけます
プロフィール
<略歴>
1984年生まれ/千葉県出身
2003年開成高校卒業
2010年北海道大学医学部卒業/同年より亀田メディカルセンター初期研修医
2012年より同院血液腫瘍内科後期研修医
2013年より帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科後期研修医
2014年より助手
2015年より帝京大学大学院医学研究科第一臨床医学専攻博士課程
2018年博士課程早期修了/博士(医学)
2018年合同会社ケンワーク代表社員
<資格>
日本医師会認定産業医
日本血液学会血液専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定医
抗加齢医学会抗加齢専門医
<YouTubeにて医学専門知識をわかりやすく解説中♪>
仕事と心の保健室