【医師に聞く】皮膚が裂け深い亀裂ができ…赤く痛くなる「あかぎれ」の治療法とは?

 
秋冬に起きやすい肌荒れの症状と対策について、はなふさ皮膚科クリニック 理事長 花房火月(はなふさひづき)先生にお話を伺います。
多くの人が経験する冬の「あかぎれ」。
あかぎれ」ができるとぱっくり割れて沁みるし、地味に痛みますよね。
どうして冬に「あかぎれ」は出来やすいのでしょうか?

 

「あかぎれ」について教えてください

あかぎれというのはほとんど手に起こります。
手が乾燥して表面に湿疹が起こって、皮膚のターンオーバーが正常にいかずに角質が分厚くなってくるんですね。
分厚くなった角質というのは、異常な角質なのでじゅうぶんな弾力がなくて裂けやすいんですね。
外的刺激によって皮膚が裂けて、深い亀裂ができて赤くて痛くなった状態が「あかぎれ」です。
あかぎれのほとんどは冬の手にみられらる病気です。

 

「あかぎれ」の治療法や対症療法について

あかぎれに関してはもともと手が乾燥しやすい方がなりやすく、手をずっと寒い状態にしておくと血流が悪くなって治りも悪くなってしまうので、手をしっかり保湿することと、手袋をしたり手をあまり冷やさないようにすることが大事です。
 
あかぎれになって亀裂が起こっているところは、角質より下の細胞がむき出しになっている状態なので、そこにたとえば洗剤であるとか、そういったものが付くとさらにかぶれてしまうわけですね。
なので、なるべく刺激となるものを触らないようにしてしっかり保湿して手の表面を休める必要があります。
 
まずは市販の薬から試してもいいと思うのですが、市販の薬だとたまにそれでかぶれるか方もいるので、効きが悪い場合は病院を受診されたほうがいいかなと思います。
あと、あかぎれになっている方というのは、たいてい手袋をして食器を洗うと思うのですが、基本的にはそれで問題ないのですが、ゴムの手袋はそのゴムでかぶれるかたがいるということは覚えておいてもいいかもしれません。
ゴム自体のアレルギーが多いことは知っておいてもいいと思います。
ラテックスアレルギー、ゴムアレルギーなどいろいろありますが、たとえばマンゴーとか漆(うるし)のアレルギーと似ているんですね。
マンゴーや漆のアレルギーがあるかたはゴムアレルギーも持っている可能性が高いといえますね。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

乾燥により表面に湿疹ができて角質が分厚くなると皮膚が裂けやすくなります。」と花房火月先生。
筆者も冬はあかぎれに悩まされることがあるのですが、セルフケアで治らない場合は病院を受診してみようと思いました。
あかぎれを予防するために、できるだけ乾燥対策をして冬を乗り切りたいですね。

 
取材日:2019年10月4日
 

プロフィール

はなふさ皮膚科クリニック 理事長
花房 火月 医師
 
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
 
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗