【救急医に聞く】お酒を飲んで意識を失ってしまう急性アルコール中毒…転倒して頭部外傷などケガも多い

 
無理にお酒を飲んで意識を失ってしまった場合、どうなってしまうのでしょうか?
急性アルコール中毒で救急搬送される人ついて、救命救急の現場で活躍されていた小川智也(おがわともなり)医師にお話を伺いました。歩行が安定しないため転倒しやすく、頭部外傷などのケガを負う人も多いようです。

 

急性アルコール中毒で救急搬送された人は転倒によるケガも多く、入院も必要です

――急性アルコール中毒になると入院が必要ですか?
 
急性アルコール中毒の場合で意識がない、呼吸が止まっていたなど比較的重症だった場合は入院が必要です。
このほか、嘔吐物を誤嚥して肺炎を併発しているケースなどでも入院は必要です。
 
――急性アルコール中毒の影響でケガをされる人は多いですか?
 
ケガをされる方は結構います。
酩酊状態(めいていじょうたい)で歩行が安定しないので、多数の打撲痕を作られて受診される方や転倒によるケガを伴い受診される患者さんも多いです。
 
また、アルコール飲酒と頭部外傷を伴い救急搬送された方で、意識が無い場合、急性アルコール中毒により意識がないのか、頭部外傷が原因(脳出血など)で意識がないのかを見極める必要もあります。
 
――入院や救急搬送された場合、お金がかかったりしますか?
 
健康保険証を所有していれば治療は健康保険が適用されます。
深夜に入院となった場合、集中治療室に入院する必要があった場合などは、治療費も高額になることがあります。

 

薬×酒は絶対にNG!お薬の効果が大幅に変わってしまう可能性があります

 
――お薬を飲んだ後にお酒を飲んでも大丈夫ですか?
 
基本的にはお薬と一緒にお酒を飲むことはおすすめできません。
服用中のお薬の効果が強く出てしまったり、逆に効果が大幅に減弱する場合があるので注意が必要です。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント:お酒の飲みすぎに注意!転倒によるケガや誤嚥性肺炎の危険も

急性アルコール中毒で救急搬送される人について小川智也医師に教えていただきました。
救急搬送されてくる方は意識がなくなってしまうだけでなく、転倒などによりケガをされてしまうことが多いようです。
また、嘔吐してしまったものが気管で詰まり、誤嚥して肺炎になってしまうケースもあります。
くれぐれもお酒の飲みすぎには気を付けましょう。

 
取材日:2019年12月13日
 

プロフィール

小川智也(おがわともなり)
救急科専門医 MBA

2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。

国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。

2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。

2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画

自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。