【医師に聞く】間違った生活習慣!熱いお風呂は乾燥しやすくなる!

 
秋から冬にかけては、特に肌荒れが気になる季節ですよね。
そこで秋冬の皮膚の状態について、はなふさ皮膚科クリニック 理事長 花房火月(はなふさひづき)先生にお話を伺いました。
乾燥するこの時期、肌トラブルにはどんな症状があってどうやってケアすればいいのでしょうか?
まずは原因について解説していただきます。

 

季節の変わり目に肌トラブルが起こりやすいのはなぜ?

秋から冬にかけての肌トラブルは、

①気温が低下すること
②湿度が低下すること

、この2点がいちばんの原因です。
気温が低下することによって皮脂の分泌も低下して、さらに日本の冬は非常に乾燥しますので、それらがあわさって皮膚が非常に乾燥しやすくなります。
 
また皮膚というのは、だいたい28日から48日の間にターンオーバーするので、夏の紫外線の蓄積による影響がちょうど秋くらいに出やすいですね。
それによって、また皮膚トラブルが増えます。
また秋には、ブタクサやヨモギなど、アレルギーの原因となる花粉が割りと飛んでおり、それらもあわせてトラブルの原因になります。

 

秋冬に肌トラブルが増えるのはなぜ?

皮膚が乾燥すると、角質の表面に小さな傷がたくさんついた状態になります。
角質はそもそも身体を外的刺激から守っている構造物で、そこが乾燥してカサカサに毛羽立って小さな傷がついた状態になると、外から刺激を受けやすくなります。
具体的には物理的刺激、摩擦による刺激ですね。そういった刺激を受けやすくなるのと、あとは化学的刺激ですね。
洗剤であるとか、調味料とか食材に触れることですが、そういった刺激を受けやすくなって湿疹になりやすくなります。

 

間違った生活習慣など教えてください

寒い時期になると熱いお風呂に長く入りたい人がいると思うのですが、熱いお風呂に入っているだけで皮膚の表面から天然の保湿因子という保湿成分が皮膚の表面から逃げてしまい、さらに乾燥しやすくなります。
ですので、そのあたりは注意したほうがいいかなと思います。
 
あと若い人はそうでもないのですが、お風呂でいまだに身体をナイロンタオルでゴシゴシこする方もいますが、それも皮膚の表面の角質を傷めるだけでほとんどメリットがありませんので、少し注意したほうがいいです。
角質はもともと必要なものなので、なるべく傷めつけないようにすることが大事です。
最近はファッションの影響でニットをそのまま素肌に着ている方も割りと多いのですが、皮膚の刺激になるので少し注意が必要です。やはり肌がデリケートな方はコットンの下着を着るべきなんですね。
その上でニットを着るということですね。

 

医科歯科ドットコム編集部まとめ

秋冬は乾燥によって角質の表面が傷つきやすくなるんですね。
角質は外的な刺激から守ってくれる役割があるので、なるべく角質を傷めずに生活することが大事だと教えていただきました。
次回は、実際の秋冬の肌に起きやすい症状について、引き続き花房火月先生に伺っていきます。

 
取材日:2019年10月4日
 

プロフィール

はなふさ皮膚科クリニック 理事長
花房 火月 医師
 
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
 
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗