【救急医に聞く】飲む前に牛乳を飲むと良いのはホント?血中アルコール濃度の急上昇に注意

 
お酒を飲む時ほとんど食べないという方、たまに見かけますよね。
そういったお酒の飲み方は、血中アルコール濃度が急激に上がりやすく注意が必要なようです。
飲み会で注意すべきことについて、救命救急の現場で活躍されていた小川智也(おがわともなり)医師にお話しを伺いました。

 

血中アルコール濃度の急激な上昇に注意!食事や水分を摂りながら楽しみましょう

――飲み会で注意した方が良いことはありますか?
 
若い人で怖いのは一気に血中アルコール濃度が高くなり、そのまま意識をなくして放置されることです。
様子がおかしいなと思ったら、声かけするなどして対応して欲しいですね。
そして、「飲めない人には飲ませない」ことが大事です。
 
また、ごはんを食べずにアルコールを飲むと濃度が急激に上がりやすくなります。
血中アルコール濃度が急激に上昇しないよう、何か食べながら、そして水分を摂りながらお酒を飲むと良いと思います。
 
――飲む前に牛乳を飲むと良いと聞いたことがありますが、飲む前や合間に飲んだ方が良いものはありますか?
 
牛乳はアルコールの肝代謝を良くする働きがあると考えられています。
牛乳を飲むことでアルコール吸収のスピードをゆっくりさせる効果はないですが、肝臓でのアルコール分解を助ける効果が期待できそうです。
そのため、二日酔い防止として、多少効果が期待できる程度だと思います。

 

編集部コメント:「飲めない人には飲ませない」無理な飲酒は絶対にやめましょう

飲み会で注意すべきことについて小川智也医師に教えていただきました。
お酒が飲めない人に無理に飲ませてしまうことは絶対にいけないことです。
また、様子がおかしいなと感じたら、すぐに声をかけて対応して欲しいと思います。

 
取材日:2019年12月13日
 

プロフィール

小川智也(おがわともなり)
救急科専門医 MBA

2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。

国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。

2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。

2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画

自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。