湿布薬も飲み薬と同じ? 「薬の飲みすぎで薬剤性頭痛に」 薬剤師が教える痛み止めの注意点

 
頭痛や腰痛など、生活の中で生じる様々な痛みを軽減してくれる痛み止めの薬ですが、使用する際は注意点もあるようです。
 
また、軽く考えがちな湿布薬(貼り薬)ですが、飲み薬と同様に注意点があります。「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏にお話を伺いました。
 

「薬剤性頭痛」というものもあり、薬を飲み続けることで頭痛に

――痛み止めの薬は、どういう場合に効果がありますか?
 
痛み止めの薬は、炎症に効果があります。例えば打ち身の炎症を抑える、痛みを感じるところを抑えていくというものです。
 
根本治療になることは少なく、あくまで対処療法になることが多いです。飲まないと痛い、歩けないほどの状態というのは、もっとひどい状態の可能性があります。
 
そういう場合はすぐに医療機関へ受診した方が良いと思います。
 
――痛み止めの薬は、どれくらい飲み続けて大丈夫?
 
実は「薬剤性頭痛」というものがあり、ロキソニンの飲みすぎによって頭痛が起きてしまうこともあります。
 
判断基準として、1ヶ月に15日以上に頭痛が起こるケースで、薬を飲み続けているというような場合は薬剤性頭痛を疑います。
 
そういう場合は、薬を飲むのをやめると頭痛が治まるということもあります。ただし、急に止めるのではなく、少しずつ減らしていく方が良いので、思い当たる方は一度受診すると良いでしょう。
 

湿布薬(貼り薬)を甘くみてはいけない。妊娠中などは特に注意を

――湿布薬(貼り薬)なら使用し続けても大丈夫?
 
湿布薬(貼り薬)も飲み薬と同じで、あくまで対処療法になることが多いです。
 
腰椎が正しい位置からずれている、そもそも姿勢が悪い、背骨が曲がっているなどの場合は、貼り続けても意味がありません。
 
ロキソニンも湿布薬(貼り薬)でありますが、飲み薬と比べると少ない量ですが血中にロキソニンの成分が入っていくので、全身にベタベタたくさん貼ってしまうと、身体の中へ入るロキソニンの濃度がぐんと上がってしまいます。
 
そうすると稀にですが、貼り薬なのに胃の障害が起きる方もいらっしゃいます。貼り薬は飲み薬より軽く考えがちですが、効果は同じだと考えて過剰に貼ることは控えた方が良いです。
 
――湿布薬(貼り薬)の注意点を教えてください
 
湿布薬(貼り薬)に関しては、徐々に成分が吸収されていきます。
 
むやみやたらに何枚もベタベタ貼ったり、長期間使い続けたりしなければ、飲み薬ほど胃潰瘍のリスクは高くないと思います。
 
湿布薬(貼り薬)にも種類はいくつかあり、それぞれ効果が異なります。妊娠中に使えるかどうかという違いもあります。
 
妊娠中はロキソニンテープなどは避けた方が良いとされています。一方で、妊娠中にもリスクを上げずに使える湿布薬はあるので、薬剤師や登録販売者に相談すると良いでしょう。
 

医科歯科ドットコム編集部コメント

「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏に、薬の使用頻度や湿布薬(貼り薬)の使用について教えていただきました。
 
「薬剤性頭痛」という薬の飲みすぎによって起こる頭痛があるようですので、何日間も薬を飲み続けてしまうことは注意が必要ですね。
 
また、湿布薬(貼り薬)なら大丈夫だろうと自己判断で使用することは良くないようです。特に妊娠中は、使用できる薬について医師や薬剤師と相談するようにしましょう。
 
取材日:2020年1月31日
 

プロフィール

児玉 亮二(こだま りょうじ)
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
 
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中
 
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事(https://minacolor.com/)の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画