薬の量は効果と安全性のバランスで決まる!「空腹時の薬は胃を荒らす要因に」薬剤師が回答

 
頭痛や腰痛など、生活の中で生じる様々な痛みを軽減してくれる痛み止めの薬ですが、使用する際は注意点もあるようです。
 
薬を多く飲むことや自己判断で薬を併用すること、空腹時の薬の服用がなぜ悪いのかについて、「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏にお話を伺いました。
 

 

薬の飲む量は、治療効果と安全性のバランスで考えられている

――痛み止めの薬を1回1錠のところ2錠飲むなど、多く飲むと効果が2倍になったりしますか?
 
痛みが強いからと、1回1錠のところを2錠飲むようにと言うことはありません。もしそういうことがあれば、用法用量に記載されるものです。
 
例えば、抜歯の際に痛み止めとして処方されるロキソニンは、通常服用する際は1回1錠なのに対し2錠までいいとされていることがあります。しかし、これも単純に2錠飲んだからといって痛み止めの効果が2倍になる訳ではありません。
 
薬の飲む量は、薬を飲むことで起こるリスクとベネフィットのバランスで決まっています
 
治療効果と安全性の2軸のバランスがいいところで考えられていて、リスクが上回ると推奨できないということになります。
 
例えば、1回3錠飲んだときに痛み止めの効果が3倍になっているとしたら、認可が通っているはずです。認可が通っていないということは、リスクの方が高くなっている可能性が高いです。
 
箱に1回1錠と書かれていたらそのように適切に飲むことが大切です。それでも、痛みが治まらない場合は、相談していただいた方が良いと思います。

 

自己判断で薬の併用はやめましょう

――痛みが治まらない場合、2種類以上の薬を併用して飲んでも大丈夫?
 
1回1錠の薬を2錠にするなど、同じ薬を増やすことは基本的にないです。しかし、例えばロキソプロフェンとアセトアミノフェンなど、作用の違う薬を追加して併用した処方をすることはあります。
 
ただし、患者さんが自己判断で薬を併用して飲むことはおすすめできません。あくまで処方として、他の薬を組み合わせることはあります。薬の効果の持続時間は種類によってまちまちです。
 
自分に合った薬を見つけることはすごくいいことです。薬の量を増やして試すより、違う種類のものを試してみた方がいいこともあります。

 
――薬を飲んでも効果がないこともある?
 
薬があう、あわないもありますが、効かない薬を使用している可能性もあるので、薬剤師に相談すると良いと思います。
 
例えば、腰椎がずれていて、神経を圧迫して痛くなっているというような場合、痛み止めの薬を飲んだとしても全然効かないということもあります。
 
痛みが2週間以上続いているというような場合は、一度医療機関へ受診した方がいいのではないかと思います。

 

空腹時に薬を飲むと、胃の粘膜を弱めてしまう

――空腹時に薬を服用することは、なぜ悪い?
 
空腹時にロキソニンなどの薬を飲むことはあまり良くないですね。ロキソニンで胃潰瘍になる理由は、胃の粘膜が荒れてしまうためです。
 
本来であれば、粘膜で胃を守っているのですが、ロキソニンを飲むことで粘膜が弱まってしまいます。
 
そのタイミングで胃が空腹だと、胃酸で自分の胃を攻撃してしまう状態になります。
 
それが続くと胃に炎症が起きたり、ひどい場合には穴が開いてしまいます。食べ物が胃の中に入っていれば、胃酸が胃を溶かすのではなく物を溶かすように作用します。
 
胃への攻撃を抑えるためにも、ロキソニンを飲む際は空腹時を避けるようにしましょう。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

「ミナカラ薬局」薬剤師の児玉 亮二(こだま りょうじ)氏に、薬を飲む際の注意点について教えていただきました。
 
痛みなどの症状が強いと、多く薬を飲めばより効くように感じますが、実際はそのようなことはないとのことでした。薬は正しく飲むことが大切です。
 
また、空腹時にロキソニンを飲むと胃が荒れてしまう要因となってしまうようです。注意したいですね。

 
取材日:2020年1月31日
 

プロフィール

児玉 亮二(こだま りょうじ)
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
 
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中
 
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事(https://minacolor.com/)の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画