【薬剤師が教える!】「眠くならない花粉症の薬」を選ぶコツとは?薬局でも買える薬について

――薬のことなら薬剤師に聞け!「花粉症の薬」について教えてもらいました
 

花粉症の薬は眠気がでやすいと言われていますが、最近の薬では眠くなりにくい薬もあるそうです。
 
そこで今回は、薬局でも購入できて眠気が少ない薬について、㈱ミナカラの薬剤師 児玉 亮二さんに教えていただきました。

 

Q:眠くなりにくい「花粉症の薬」はありますか?

 
――花粉症の薬はどうも眠くなりやすいイメージがあるのですが、眠くなりにくい市販薬を選ぶコツはありますか?
 
ドラッグストアなどにある花粉症の薬で、眠くなりにくいものを選ぶ方法ですが、一番分かりやすいのは薬の箱に「眠くなりにくい」と書いてあるものを選ぶことです。
 
――とりあえずは、「眠くなりにくい」と箱に書いてある薬を選べばいいのですね?
 
病院で処方されていて市販もされている薬の名前でいうと、「アレグラ」、「アレジオン」、「クラリチン」といったものがありますね。
 
これらは「抗ヒスタミン薬」といって、そのなかでも第2世代といわれる新しい薬になります。

 

● 「車の運転」についての注意書きも要チェック!


 
新しく出た薬を選ぶというのも方法のひとつかもしれませんが、「車の運転」についての注意書きがあるかどうか、ということが重要なキーワードになります。
 
車の運転で眠気がでてしまうと事故につながることがありますので、眠くなりやすい薬に関しては、注意書きとして往々にして書かれていることが多いです。

 

Q:最近の薬のほうが眠くなりにくいのでしょうか?

 
「抗ヒスタミン薬」には第1世代と第2世代があって、開発された時期が昔のものは第1世代、最近のものは第2世代といいます。
昔のものは眠くなりやすくて最近のものは改良されて眠くなりづらくなっています。

 

Q: 即効性がある薬は?

眠気がでやすい薬のほうが即効性はあるとも言われています。一般的には、抗ヒスタミン薬では第1世代といわれる昔の薬のほうが第2世代より即効性があるだろう、ということです。

 

Q:そもそもアレルギーの薬で眠くなるのはなぜなのでしょうか?

 
よく花粉症の薬を飲むと眠くなるというのは、脳のところで薬が作用してしまうからです。
脳には「ヒスタミン」の受け皿があるのですが、ヒスタミンとは、くしゃみや鼻水など、花粉による症状の引き金(トリガー)になる刺激物です。
 
そのヒスタミンの受け皿になる部分が、身体のどこに多くあるかで症状が違い、たとえばそれが鼻や目にあると、鼻や目がかゆくなります。

 

Q:眠くなりにくい薬の効果について結局のところ効くのでしょうか?

 
眠くなりにくい薬だからといって、効果が弱いわけではありません。
 
眠くなりやすい、なりにくい、という違いは効果には関係なく、脳に薬の成分が移行しやすいかしにくいか、ということです。
 
薬の脂っこさを調整することによって、脳に移行しにくくすることができます。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

眠くなると困るときは「車の運転」をキーワードにお薬を探してみてください。
 
また、症状に不安があるときは病院を受診し、医師や薬剤師に相談してください。眠気はさけたいという希望も伝えるとよいでしょう。
 
花粉の季節到来ですが、薬と上手く付き合って快適にお過ごしください!

 
取材日:2020年1月31日
 
 

プロフィール

児玉 亮二(こだま りょうじ)
株式会社ミナカラ
ミナカラ事業・ディレクター・管理薬剤師
 
京都薬科大学薬学部卒業
急性期病院薬剤師、薬局薬剤師勤務を経て株式会社ミナカラ入社
より多くの人に質のいい医療を提供することを目標に活動中
 
薬剤師として、オンラインや電話でお薬の相談対応を行うことはもちろん、ミナカラ薬局コンテンツ記事(https://minacolor.com/)の執筆・医療監修や事業の企画立案などを行う
LINE薬剤師相談サービスの立ち上げやOTCのネット販売やPB開発に参画