冬場の水仕事で手が荒れてしまう方は意外と多いと思います。手湿疹(てしっしん)は乾燥する時期に起こりやすい身近な症状です。
大切な手を守る方法について、皮膚科専門医である花房火月(はなふさひづき)医師に教えていただきました。
水仕事をする女性や美容師に多い「手湿疹(てしっしん)」とは?
手湿疹(てしっしん)は非常に多い病気です。軽症なら少し手がカサカサしてかゆいという程度ですが、その後徐々に湿疹がひどくなっていき、赤いぶつぶつができて亀裂が起こり、そこから汁が出てきて痛くなっていきます。
世界的に見ても女性が多く、かつ手が水に濡れたり、洗剤に触れるような仕事をされている方、子育てをしている方に多いということが分かっています。
特に美容師、調理師、介護士、看護師の方がなりやすいです。お世話のたびに手を洗うので手荒れをおこしやすく、バリア機能が落ちたところに手湿疹が発症してしまいます。
2週間ケアを続ければ改善する!日常生活の中でできる対策と治療法
水仕事や手を使った仕事を全くしないというのは難しいですが、なるべく避けて洗剤に直接触れないようにした方がいいです。
手を洗い過ぎないようにするといいと思います。消毒液などでかぶれている場合もありますので、消毒を少し控えるのもいいです。
手湿疹自体は、症状がひどい方でも水仕事や手を使った仕事を2週間止めれば、かなりきれいに治ることが多いです。
しかし、日常生活を送る中ではそう簡単にできませんので、できるだけの対応をしていただきたいと思います。また、軽症のうちや予防の為には手をしっかり保湿するというのも大事です。
症状が湿疹に至った場合は、ステロイドの薬をつけて炎症を抑える必要があります。あとはしっかり保湿し、手を乾燥させないようにします。
かゆみがひどい場合には、かゆみ止めの飲み薬もありますので、医療機関でご相談ください。
医科歯科ドットコム編集部コメント:冬場の洗い物などは手袋などで予防!軽症のうちに保湿が大切
洗い物や手洗いを避けることはできませんが、特に冬場は洗い物用の手袋の着用やハンドクリームなどで予防をしたいですね。
手のかさつきくらいと思いがちですが、肌のバリア機能を守るためにしっかり保湿をすると良いでしょう。
取材日:2019年10月4日
プロフィール
花房 火月 医師
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗』