くちびるに水疱(すいほう)ができるヘルペス。幼少期ならそれほどひどくならないようですが、10代以降になって初めてヘルペスに感染すると熱もでてしまうようです。
皮膚科専門医である花房 火月(はなふさ ひづき)医師にヘルペスウイルスについて教えていただきました。なんと日本人の90%が既に感染しているそうです。
くちびるに水疱ができるヘルペス、日本人の90%以上がすでに感染している
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスの感染症です。実はすでに日本人の90%以上にヘルペスウイルスは潜伏感染しています。
免疫が下がっているとき、くちびるなどに水疱(すいほう)がたくさんでき、痛みを感じるという病気です。
疲れや他の病気などにより免疫の低下、あるいは強い紫外線を浴びたときにも起こりやすいと言われています。
初感染だけは症状がひどく、くちびるだけではなく舌や口の中も水疱ができてしまい、「ご飯が食べづらい」「熱が出てしまう」というような症状が現れます。
子どもの頃に感染する人が多いですが、幼少期ですとそれほどひどくなく済む場合が多いようです。
しかし、10代以降にヘルペスを初感染すると、たくさん口の中に水疱ができて熱もでて辛いという状態になることが多いです。
潜伏感染とは、感染していても免疫が完全に抑え込んでいる状態
潜伏感染とは、人間の身体の中に存在はしているのですが、免疫が完全に抑え込んでいる状態を言います。
ウイルスの抗体価を採血で測ることができるので、ヘルペスに感染しているかは調べることができます。しかし、保険適用ではないので自費での検査になります。
また、日本人の90%以上はすでに感染していますので、改めて検査するメリットはあまりないのではないかと思います。
ヘルペスの潜伏ウイルスを活性化させないために
ヘルペスウイルスが活性化しやすい方は、将来の認知症発生率が高いのではないかと言われています。
なぜなら、ヘルペスの活性化がおそらく脳内でも起こっていて、ヘルペスウイルスが脳を損傷しているのではないかと考えられているからです。
発症は遺伝的体質もあるかとは思いますが、暴飲暴食や不規則な生活をしていると潜伏ウイルスが活性化しやすくなります。
風邪をひきにくい体質の人も不健康な生活をしていると体調を崩してしまうというのと同じことで、生活習慣が関わっています。
ヘルペスの症状自体はヘルペスウイルスを抑える飲み薬を飲んでいただく他に、ヘルペスウイルスの増殖を防ぐぬり薬もあります。それをつけて、しばらくすると症状は改善していきます。
医科歯科ドットコム編集部コメント:軽く考えず皮膚科に相談!規則正しい生活を心がけましょう
ヘルペスは日本人の90%以上もの人が潜伏感染しているため、今現在は症状がなくても日頃の不摂生によって誰にでも起こりうることです。ただの口内炎かもと軽く考えずに皮膚科に相談しましょう。
将来の認知症発症率にも関係しているかも知れないとのことですから、ヘルペスの活性化をできるだけ抑えるように、免疫を下げない生活を心がけると良いでしょう。
取材日:2019年10月4日
プロフィール
花房 火月 医師
2006年4月~2007年3月 癌研究会有明病院(初期研修医)
2007年4月~2008年3月 東京大学医学部附属病院(初期研修医)
2008年4月~2008年6月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(専門研修医)
2008年7月~2008年11月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科(助教)
2008年12月~2010年6月 NTT東日本関東病院皮膚科(医員)
2010年7月~2011年6月 東京厚生年金病院皮膚科(レジデント)
2011年3月 東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科後期研修終了
2011年7月~ 三鷹はなふさ皮膚科開設
2014年6月~ 新座はなふさ皮膚科開設
2015年6月~ The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出
2015年7月~ 国分寺駅前はなふさ皮膚科開設
2016年5月~ 久我山はなふさ皮膚科開設
2017年8月~ 志木はなふさ皮膚科開設
2019年4月~ The New York Times紙によりNext-Era Leaders2019に選出
2020年2月~ 大宮はなふさ皮膚科開設
<その他>
著書『ぜんぶ毛包のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗』