【眼科医に聞く】メガネの度数|近視・乱視は何歳まで進行するの?大人が視力低下する場合とは?

 
近視や乱視はずっと進行するわけではない、ということはご存知でしょうか。
背が伸びるのと同じように、視力にも変化する時期があるそうです。
今回は近視や乱視は何歳まで進むのか、進行した場合の注意点を「とだ眼科」院長 箕田宏医師にお話いただきました。

 

近視や乱視は何歳まで進行しますか?

視力の発達は、だいたい小学校高学年くらいに止まります。
屈折異常があれば眼鏡で適正な補正をし、弱視を認めた際は治療をしてほとんどの方が矯正視力1.0~1.2になります。
 
しかし、近視や乱視はある程度の年齢まで進行するため、その際はコンタクトやメガネの度を上げて調整します。
屈折異常はだいたい18歳から20歳までの間で止まるので、それ以降の進行はなくなっていきます。

 

20歳を過ぎてから視力が低下する場合は病気の可能性も!?


成人してから視力が低下する場合は何らかの病気が原因になっていることが多く、メガネなどで補正しても視力が不良な場合は治療が必要となります。
 
お子さんの視力低下は屈折状態の変化の可能性が高いのに対し、大人の場合は完成したはずの視力が下がっていくということで病気の可能性がありますので、眼科で診断を受けてください。

 

子供の視力低下はいつ頃分かりますか?

お子さんの場合、小さいうちは近視や遠視が分からない状態で過ごされている方が多いかと思います。
3歳児健診や小学校で眼科健診を受けるようになり、視力が良くないとなると「眼科の受診をしてください」とお知らせが来ます。
そこで初めて屈折異常(近視、遠視、乱視など)などが分かります。
目の屈折異常であればメガネによる補正をします。
生まれつき目が見えにくい、視力が出ないという子の場合は病気の場合もあるのでその対応をしていきます。
 
日本の場合、お子さんに視力障害があれば小学生くらいまでに何かしらの健診で気付かれるので、目の病気があっても早い段階で分かります。

 

メガネをつくる場合は網膜にピントを合わせます

初めて眼科にいらっしゃる場合は、まずは裸眼で視力を測ります。
その後、メガネで網膜にピントが合うように補正をして、最大限の視力を測ってもらいます。
 
網膜にピントが合った状態での視力が1.0~1.2の良好な数値が出れば、それに合ったメガネを作ります。
 
しかし補正をしてピントが合っているはずの状態でも視力があまり出ないというお子さんは弱視の可能性が高く、他の眼病の除外診断をしたのちに弱視の対応をします。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

大人になってからの視力の低下は、病気が関係している可能性があるというのは驚きでした。
処方箋なくコンタクトレンズは買えるようになりましたが、近視や乱視が進行しているかもしれないと感じる場合は、自分で判断せずに眼科で診てもらうとよいでしょう。

 
取材日:2020年1月20日
 

プロフィール

とだ眼科 院長
箕田 宏 医師
 
<経歴> 
東京医科大学卒
北海道大学医学部癌研 ウイルス研究生
市立根室病院 眼科部長
東京医科大学 医学部医学科臨床医学系眼科分野 客員講師
 
<専門分野> 
眼感染症
ぶどう膜炎と網膜硝子体疾患