「皮膚は内臓の鏡」といわれています。
内臓機能に影響を与える暴飲暴食は、肌荒れの原因の1つです。
放置すると胃腸の病気になる可能性も!
特に、痒みを伴う肌荒れは内蔵機能が原因となっていることが考えられるでしょう。
●時々胸やけ、ゲップ、胃もたれする
●食事の時に胸がつかえる感じがある
●空腹時みぞおちが痛い
●便の色が黒い
●検診でペプシノーゲンテストやピロリ菌が陽性だった
●便に血がつく、トイレに頻回にいく
●便秘する、便が出にくい
●最近だるい、疲れやすい
口の周りの吹き出物や乾燥も、内蔵機能が原因だといわれています。
口の端が切れた、荒れてしまって痛い思いをされたなどの経験はないでしょうか?
普段、口にしている食べ物も肌荒れの原因となります。
胃腸の役割とは?
胃も腸も消化管に属してます。
消化管とは口から食道、胃腸、肛門までことです。
消化管は蠕動運動をしながら消化し、栄養素を体に吸収します。
まずは胃に入った食べ物を消化液によって殺菌し、消化・吸収の準備をします。
次に小腸で酵素によって食べ物を消化して、栄養分を吸収します。最後に大腸で水分を吸収して便として排泄します。
胃腸のトラブル
代表的なものは胃炎です。
食べすぎや飲みすぎ、ストレスやタバコの吸いすぎなどの生活習慣によるものと、ウイルスによるもの、ピロリ菌が関与する急性胃炎などがありますが、原因の約8割をピロリ菌によるものです。
その他にも薬の副作用によって引き起こされる慢性胃炎などがあります。
ピロリ菌の感染は、放置していると胃潰瘍、十二指腸潰瘍に進行することがあるので、注意しましょう。
ピロリ菌ってなに?
ピロリ菌とは、1980年代に発見された胃の中に棲み着く細菌です。
以前は胃の中は強い酸性であるため細菌などが棲み着くことはできないとされていましたが、ピロリ菌は胃酸に耐える酵素を持っているため棲み着くことができるということが分かっています。
その胃酸に耐えるための酵素は「ウレアーゼ」と言い、胃の中の成分の1つである「尿素」を分解してアルカリ性のアンモニアにします。
ピロリ菌はこのアンモニアで自分を覆うことにより、胃酸を中和して胃の中に棲み着くことができます。
ピロリ菌は、胃炎や胃・十二指腸潰瘍の発症に深く関係していることが分かっていますが、発症する確率が上るのであって、ピロリ菌を保有しているからと言って必ず発症するというわけではありません。
胃・十二指腸潰瘍の症状について
腹痛がもっとも多く、夜間や早朝などの空腹時におこりやすく、食物を食べると痛みが緩和します。
痛み方は圧迫感、鈍痛や疼痛(焼ける、刺すような痛み)とさまざまです。
症状に気づかず潰瘍が進んでしまい、胃や十二指腸に穴が空いて(穿孔性潰瘍)、激痛に襲われてから病気に気づく場合もあります。
潰瘍部分から出血した場合には吐血、下血することがあります。
狭窄や変形をおこして、食物が通過しにくくなって、嘔吐することもあります。
胃腸にも肌にも優しい食事のポイント
1.新鮮な食材を使う
2.油脂を控える
3.肉の脂肪・皮・筋は取り除く
4.細かく切る
5.軟らかくなるまで十分に火を通す
6.薄味にする
【食材】
主食:軟らかいご飯、食パン、うどん、そうめん はるさめ、じゃがいも、里芋、さつま芋
魚 :ひらめ、かれい、たらなどの白身魚、しらす
肉 :鶏肉(皮・脂身なし)ヒレなど脂身のない肉
大豆製品:豆腐、高野豆腐 湯葉、きなこ、引割り納豆
乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズ、ミルクゼリー、プリン、ババロア
野菜:大根、かぶ、人参、白菜、キャベツ、レタス、かぼちゃ、なす、トマト(皮なし)、 玉ねぎ、小松菜、ホウレン草、春菊(葉の柔らかい部分)、カリフラワー、 ブロッコリー、ゆりね、生わかめ(柔らかいところ)
【調理方法】
卵料理:卵豆腐・卵とじ・半熟卵・茶碗蒸し
魚料理:煮魚・蒸し魚・鍋料理
肉料理:つくねの煮物・鶏ささみのホイル焼・赤身肉のしゃぶしゃぶ
卵料理:卵豆腐・卵とじ・半熟卵・茶碗蒸し
大豆製品:湯豆腐
乳製品:ポタージュスープ・プリン・温めた牛乳
その他:煮浸し・やわらかい煮物
予防
胃・十二指腸潰瘍になりやすいのは、仕事や人間関係などでストレスが多い人、慢性的な食べすぎ・飲みすぎでいつも胃に負担をかけている人、胃液が多く胸焼けしやすい人、タバコをよく吸う人、きちょうめんで細かいことが気になる人…などです。
このようなタイプで、もし胃痛や上腹部痛をくり返す場合は、潰瘍の治療だけでなくピロリ菌の検査もしてみましょう。
内視鏡(胃カメラ)による検査のほか、呼気による簡単な検査法もあるので、医師と相談してください。
治療は胃酸の分泌を抑制する薬剤での治療や潰瘍で出血がある場合は内視鏡での治療が必要になることもあります。
プロフィール
水野 恵梨香 看護師
現在東京トータル美容クリニックに勤務。
幼少期アトピーで悩まされ肌にコンプレックスを抱き美容業界へ。
元エステティシャンであり社会人経て、東北大震災をキッカケに看護学校へ入学。
消化器内科・腫瘍内科を経て美容クリニックで介助や施術を行っている。
その他、美容や健康のコラムを執筆。
美容を健康面から考え役立たずに立てる情報を発信できるようにします