健康や美容に関わる内臓と言われると、どの臓器を思い浮かべますか?
全ての臓器大切ですが、胃や肝臓や腸など内臓の健康は美肌と深く関係しています。
最近このような症状を感じたことありますか?
●最近体が疲れやすくなった
●お酒を美味しく感じない
●食欲低下(特に脂っこいものを欲しない)
●足が浮腫む、お腹が張る
●検診で肝機能異常を指摘された
●お肌のくすみ、肌荒れ、口周りのニキビ、皮膚のかゆみがある
これらの症状が続く場合、肝機能低下の可能性が考えられます。
また、お酒を飲み過ぎた次の日は、顔がパンパンに浮腫む、肌がガサついて化粧ノリが悪い、身体もだるくて気持ち悪いし頭痛もする。
「もう二度とお酒飲まない」と後悔・・・。
そのような経験は誰でもしたことあるのではないでしょうか。
肝臓の役割を簡単に説明します。
肝臓の役割は?
肝臓は成人の重量は約1.2キロ程度でスポンジの様に血液をたくさん含んだ臓器です。
右の肋骨に守られており、①物質の代謝 ②解毒 ③胆汁の生成と3つの働きをしています。
体の中の「化学工場」のような場所であり、時には栄養を蓄える「倉庫」の機能もあります。
①物質の代謝
食べた物を胃や腸で分解し、吸収された栄養素を利用しやすい物質にかえて肝臓で貯蓄します。
アルコールの多量摂取や糖尿病・肥満は肝臓に脂肪が多く蓄積し、肝臓機能の低下へ繋がる可能性あります。
②解毒
私たちが摂取したアルコールや薬剤など、代謝の際に生じた体に有害な物質を、毒性の低い物質へ変えて尿や胆汁中に輩出してくれます。
アルコールを多量に摂取すると肝臓の解毒作用が追いつかず、肝臓に大きな負担をかけます。
③胆汁の生成
胆汁は肝臓の中で常に分泌されている物質です。
主に脂肪の乳化(石鹸のような働き)とタンパク質を分解しやすく働き、腸から吸収されやすくなります。
胆汁の流れが悪くなると、血液中にビリルビンが増えて白目や皮膚が黄色になる「黄疸」と呼ばれる症状があらわれます。
また、肝臓はビタミンを貯蔵する働きや、アミノ酸からタンパク質を合成し利用しやすくして、美肌や髪の毛や爪の健康を保つので非常に重要といえます。
肝臓が不調の時、どのような病気になるのか下記を見てみましょう。
①肝臓の病気の種類
A,B,C,D,E肝炎ウイルス、アルコール性肝疾患、自己免疫性疾患、先天性代謝異常による肝障害など、があります。
それぞれ急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変に分類されます。
②急性肝炎とは?
主に、肝炎ウイルスの感染が原因で起きる急性の肝機能障害です。
⇒感冒症状(発熱・咽頭通・頭痛)、黄疸や褐色尿の出現、食欲不振、全身倦怠感、嘔吐、嘔気
③慢性肝炎とは?
慢性的に肝炎が6ヶ月以上持続していると慢性肝炎と診断されます。
⇒肝硬変が発見されるまで診断されないこと多い、倦怠感、食欲不振、疲労、稀に黄疸
④肝硬変とは?
慢性的な肝炎が繰り返されて肝細胞が傷つき、繊維化や小さな結節をつくりだして肝機能が低下した状態により様々な症状が生じる病気です。
これらの肝臓病は私たちの習慣で引き起こされる!ストレス社会といわれる現代では、アルコール消費量が年々増加傾向にあります。
アルコールの飲み過ぎで肝臓病が引き起こされる可能性が高くなります。
また不規則な食生活により内蔵肥満を伴う高血圧は肝機能に影響します。
肝臓はどうやってアルコールを分解するの?
お酒を飲んで、腸や脾臓を通過し肝臓でアルコールの分解がはじまり、まずADH(アルコール脱水素酵素)によってアセトアルデヒドに分解されます。
次に、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって酢酸に分解されます。
酢酸は全身へ循環し二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって外へ輩出されます。
このプロセスは一回で終わりきらずに、分解しきれなかったアルコールやアセトアルデヒドは心臓を経由して体内を巡って再度肝臓に戻って分解されるのを繰り返し行います。
アルコールが血液によって脳に到達すると脳を麻痺させ、酔った状態になります。
摂取したアルコールが脳へ到達するのは、約30分〜1時間程かかるといわれているので、酔う早さは、体質やその日の体調によっても変化します。
二日酔いはアセトアルデヒドによって引き起こされます。
肝臓は沈黙の臓器なので、よほどのことが無い限り音を上げない臓器です。
したがって症状が出てからでは遅いので、早期発見が大切です。
3ヶ月〜半年に1回は、必ず血液検査を!
肝機能の低下の症状は風邪の症状と似ているため、原因が肝臓とわかりにくいこともあります。
体調不良が続いたら医療機関への早期受診をおすすめします。
「そんなに血液検査するの!?」と驚く方もいると思いますが、現在は血液1滴で手軽に検査出来る方法や郵送での検査もたくさん出ています。
アプリで検査結果をグラフでまとめて見るなど便利なものがありので、是非習慣化して頂きたいです。
また人間ドックや会社の健康診断時に、腹部超音波検査を合わせて受診することも予防へ繋がります。
不規則な食生活やお酒の飲み方を見つめ直す
肝臓をいたわることが、健康や美容に最高の方法です。
睡眠時間の質を考え、食事療法と運動療法が大切になります。
肉やバターなどの動物性脂肪は控えて、中性脂肪を下げる青魚を積極的にとりましょう。
また抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンEを積極的に摂取しましょう。
ビタミンA⇒うなぎ、レバー、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん
ビタミンC⇒ブロッコリー、いちご、レモン、カリフラワー、キウイ
ビタミンE⇒ごま、うなぎ
ビタミンB1⇒豚肉、玄米、ピーナッツ、ごま
ビタミンB12⇒カキ、レバー、チーズ、卵
特にビタミンA、ビタミンC、良質なタンパク質は美肌のためにも毎日摂取してほしい栄養素です。
お酒のお供には、豆腐料理・卵料理・枝豆・野菜スティックなども摂取すると、傷ついた肝臓を修復するタンパク質やビタミンが豊富なのでおすすめです。
もやし・ごま・みそ・しじみは低下した肝機能を強化してくれるので、タンパク質と一緒に摂取しましょう。
執筆日:2019年7月10日
プロフィール
現在東京トータル美容クリニックに勤務。
幼少期アトピーで悩まされ肌にコンプレックスを抱き美容業界へ。
元エステティシャンであり社会人経て、東北大震災をキッカケに看護学校へ入学。
消化器内科・腫瘍内科を経て美容クリニックで介助や施術を行っている。
その他、美容や健康のコラムを執筆。
美容を健康面から考え役立たずに立てる情報を発信できるようにします