【医師に聞く】「お薬手帳」はなぜ持っていく?いまいち重要性がわからないその役目とは・・・

 
みなさんはお薬手帳を毎回もっていっていますか?
あまり必要ない気もするし、また家においといてシールを後から貼ればそれでいいと思われる方も多いのでは、と思います。
 
しかしこの手帳は薬剤師にとっても、また診療をする医師にも重要な情報源だそうです。
ぜひその扱いを見直してほしいと、医師でもあり、薬剤師としてもご勤務の経験がある、織田先生に教えていただきました。

 

お薬手帳は薬局と医療機関の情報共有手段!

お薬手帳は唯一の、薬局の店舗間もしくは医療機関間で患者さんの現状共有ができる手段となっていることが多いです。
 
紹介状があればいいのですが、紹介状もなくクリニックにいらっしゃった時に、自分の病状をうまく説明できる方なら問題がないのですが、うまく説明できない方が付き添いもなく受診された時に、手掛かりとなるのが、このお薬手帳です。
 
その手掛かりで推察しながら診察しないといけないということが、本来ならこの時点でおかしいことです。
情報を共有できるような仕組みを国を挙げて行おうとはしていますが、なかなか進んでいません。
 
そういった現状ですので、私もお薬手帳をヒントにして診察をすることがあります。
 
患者さんからしてみればめんどくさいものだし、お金もちょっととられるものですが、自分の身を守るため、重ねて同じ薬が出ないようにするためにも、普段自分が何の薬を飲んでいるのか、今まで何の薬を飲んでいたのか把握しておくためにもお薬手帳はもっていくといいと思います。

 

お薬手帳は診療をする医師にとってどう重要か?

 

お薬手帳があればメディカルヒストリーが一目でわかる!

病院を色々かかられて、いっぱいお薬を持っている方がいらっしゃいます。
そういった方に普段薬は何を飲んでいるんですか?と聞いた際に、ご自身ですべて答えられるのでしたらいいのですが、なかなか答えられないことが多いです。
 
またそういった時にお薬手帳をみると、先月発熱をした、耳鼻科に行った、眼科に行ったと、お薬手帳の記録を見れば、前にその部分のトラブルがあったんだなと知ることができ、それだけでも、この時はなんでそうなったんですか?と聞けるきっかけになります。
 
そうすると現状より更に先の情報を引き出すヒントになります。
診察をしているときにも必要な情報源となります。
なのでどんな薬を飲んでいたのか、という今までの経歴、メディカルヒストリーをとるためにもとても大事になってきます。

 

医療機関に行くときに患者さんに心がけてほしいこと

 

少しでも多くの医療情報があるとよい!

医療機関と別の医療機関との情報共有というのが、紹介状くらいしかなく、薬局では処方箋という紙でしかつながっていないというのが、今の日本の現状です。
 
唯一のその間をつなぐものというのが、患者さんがもっている、お薬手帳や血圧手帳などの医療機関から渡される文書であるので、薬局や新しく別の病院に行く際は、受け取っている紙や情報は全部持って行ってもらうと、ヒントが多くなります。
 
もしお薬手帳が見つからなかったら、普段はこれ飲んでいるんですと現物をもっていっても結構ですので何か情報をお家においてきて分からないとならないように、お持ちください。

 

健康情報は1つにまとめて、さっと持っていけるのが重要!

一番いいのは、ファイリングなど自分の健康にかかわる情報を、デジタルであっても、アナログであっても結構ですので、まとめてすぐに取り出せる、すぐに人に見せられるようにしておくことです。
 
何か自分の身に起きた時に、過去の自分はどういったことがあり、今の現状になっているのかというのを医療のプロに伝えることができるので、まとめる、そして持参することが大変重要かと思います。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

お薬手帳や検査の結果もなくして覚えていなかったりするので、これからそういった情報は1か所にまとめておこうと思います。
いざ、という時に困ることがないように元気な時に気を付けておきたいですね。
 
医師、薬剤師双方の視点で教えてくださった織田先生、ありがとうございました。

 
取材日:2020年1月8日
 

プロフィール

織田 聡医師

医師 薬剤師 医学博士 僧侶
 
医療法人社団聡叡会あすかクリニック院長
一般社団法人健康情報連携機構代表理事
LITERRAS MEDICA株式会社 CEO 代表取締役社長
株式会社アクセルレーター 取締役
 
日本型統合医療を提唱し、西洋医学と補完医療の有機的連携構築が専門。東洋医学的哲学を基盤に、ICTやAIなどを活用した先進的医療にも精通する。
 
現役医師として臨床業務の傍ら、少年野球からe-Sportsまで多くのスポーツ振興に関わり、ヘルスケアデバイスの開発や医療用アイソトープ国産化など種々の事業にも参画している。
 
また、僧籍(臨済宗妙心寺派)をもち、早くから禅の医療や介護への利用を模索している。寺院を活用した地域コミュニティ再生にも期待されている。