病気や風邪で具合悪い時は入浴や身体を拭いても良いのか、判断に迷いますよね?
入浴は症状によって好ましくない理由があるので状況把握して判断することが重要です。
●脱水状態である
●高熱が続いている
●ぐったりして元気がない
●食欲ない
●下痢・嘔吐がある
●寒気がある
上記の症状がある場合の入浴は避けましょう。
ただ具合いが悪いからといって不潔にすると良くないので、お湯にタオルつけて身体を清潔に保つようにしましょう。
清潔になるだけでなく、不安やストレスの軽減になります。
そもそも入浴や清潔にすることでどのような効果があるのか大きくあげていきましょう。
入浴の効果
入浴には温熱作用・静水圧作用・リラクゼーション作用・浮力作用があります。
また、皮膚を清潔に保ち感染予防にもなります。
●温熱効果は40度前後のお湯に浸かる事で、末梢血管が拡張し循環量が増えます。
●静水圧作用とは体表にかかる水圧であり、静脈やリンパ管が圧迫されて静脈還流が増大します。首まで浸かると圧が強くかかるので、心臓や肺に負担のかからない半身浴などでおこないましょう。
●入浴はエネルギー消費量が大きいので、長時間の入浴は疲労や脱水をおこしやすくするので注意しましょう。
●入浴により消化管野血管が収縮して血流が減少し、胃腸の腸蠕運動が抑制され胃酸の分泌も低下するので食直後の入浴は避けて30分くらい休憩してから入浴しましょう。
全身を拭くことの効果
私たち皮膚の下はリンパや筋肉があるので、優しくなぞるだけでも血行促進になります。
●全身清拭は筋肉や血管や腸の走行に合わせて拭く事が出来るので、マッサージ効果で血液循環促進や皮膚のバリア機能を保ちます。
●入浴と比べて身体への負担が少なく、循環機能や呼吸器への影響が低いと考えられるため安心して行えます。
●スキンシップとして効果もあり、全身状態を観察することができる。
清潔ケア時用意するもの
洗面器・お湯(50〜55℃)バスタオル・フェイスタオル・ガーゼ・せっけんやボディソープ・おむつ(必要時)・その他必要な物品
※タオルは40〜45℃を保てるようにするのが望ましい。
幼児
●寒くないようにバスタオルやフェイスタオルを使用して順番に拭きます。
●転がって落ちないような場所を確保しましょう。
●頭や目や顔からお湯で浸したタオルやガーゼで洗い上から下の順番で洗います。首などのシワ部分は洗いにくいのでなるべく皮膚を伸ばしてしっかり拭きましょう。
●陰部は最後に拭きましょう。
●タオルで拭く時はゴシゴシ拭かずにタオルをポンポンと優しく叩いてふくようにしましょう。
●保湿剤をたっぷり塗布しましょう。
小児
●幼児と同じように頭や顔からタオルで拭いて、上半身を最初に拭く。
●下半身を全体に拭いたら、最後に陰部の順番で拭く。
●陰部はデリケートなのでしっかり洗浄し、水分も拭き残しがないようにする。
アトピー性皮膚炎の清潔ケアの注意点
●せっけんを使用する際は添加物や香料がなるべく入っていない刺激の少ないものを選びましょう。
●タオルでの摩擦にも敏感なのでなるべく押さえ拭きするようにしましょう。
●アトピー性皮膚炎は乾燥が強くなるとより痒みが増したり、掻いてしまうことで傷になり色素沈着になってしまうため保湿ケアが重要となります。皮膚科の医師に相談して専用の保湿剤を使用するとより良いでしょう。
●アトピー性皮膚炎はステロイド治療が多く副作用が懸念されていますが、適切な量を使用すれば避ける事ができます。医師から説明された量を正しく使用するように守りましょう。
入院中の清潔ケアの注意点
入院中は子供にとってストレスや不安の大きな原因となります。ストレス緩和の一つとして清潔ケアが挙げられます。また、症状にもよるので必ず看護師や医師に確認してから行うようにしましょう。
●点滴している場合は、点滴の入れ替え時を看護師から聞いて、点滴が外れた時に清潔ケアを行う。
●子供は新陳代謝が良いため発汗しやすいので、身体を拭く時にかぶれや湿疹などトラブルが無いか全身の皮膚状態を観察しましょう。
●丁寧にやることは大切ですが、肌を露出し体温が逃げやすいので部屋の温度を高めに設定したり、看護師と一緒に行うなど素早く行うことも大切です。
●症状が落ち着いていても薬で押さえられている場合が考えられるため、ぐったりしている時や元気がない時は避けましょう。
体調や症状によっては部分浴にも
手や足だけ洗面器に浸けることで、身体に負担の無い程度で血行促進やリラクゼーション効果や清拭よりも爽快感を感じるなどの効果が期待出来ます。また影響ない範囲で入浴剤や香りを入れて挙げても良いでしょう。
準備するもの
洗面器・お湯(39〜41℃)・防水シーツ・バスタオル・石鹸・洗い流すようのお湯・新聞紙(足浴時に下へ敷く用)
●ベッドや周りの環境を整えて楽な姿勢で受けられるようにする。
●温度は手や足を入れる直前に確認しましょう。
●ゆっくり洗面器へ入れて、せっけんやボディソープで洗って流す。
●素早くタオルで優しく拭きます。
●最後は保湿剤を塗布しましょう。
子供は風邪や病気の時は、特に心身ともに繊細で敏感なので、家族が清潔ケアを行うことでストレスや不安が取り除かれます。
今回は風邪や病気などでも清潔ケアを行う方法をご紹介しましたが、いずれも症状が落ち着いており安定している時に行うようにしましょう。
プロフィール
水野 恵梨香 看護師
現在東京トータル美容クリニックに勤務。
幼少期アトピーで悩まされ肌にコンプレックスを抱き美容業界へ。
元エステティシャンであり社会人経て、東北大震災をキッカケに看護学校へ入学。
消化器内科・腫瘍内科を経て美容クリニックで介助や施術を行っている。
その他、美容や健康のコラムを執筆。
美容を健康面から考え役立たずに立てる情報を発信できるようにします