【食中毒の予防と対策】食中毒を甘く見ると危険!?夏場だけでなく冬場も!


 

食中毒は甘く見ると危険!?

良く耳にする「食中毒」は牡蠣(かき)で当ったことがあるなど、夏場だけでなく冬場もノロウイルスなどが流行しやすく、耳にした事がある方は多いと思います。
食中毒は、1年中なる可能性があります。
しかし、予防や対策をすることで回避することが出来ます。
 
●どんなことに注意したら良いの?
●どうやって予防できるの?
●どんな種類があるの
●薬は効果ない?
 

食中毒とは?

食中毒とは有害物質によって汚染された食物を摂取することによって発症する感染症、中毒性疾患のことです。

 

細菌性

▶サルモネラ菌
弁当類、生卵、肉類、魚介類の加工食品に多く潜伏期間は12〜24時間で激しい腹痛と下痢が出現する。

▶腸管出血性大腸菌
肉類、飲料水に多く、潜伏期間は4〜8日で頻回な水様便があり時に血便やけいれん発作を起こす場合がある。

▶カンピロバクター
飲料水、牛乳、鶏肉、牛、豚の生肉に多く潜伏期間は2〜7日で高熱と水様粘血便や稀にけいれんが出現する。

▶腸炎ビブリオ
生鮮魚、貝類(刺身・すし等)に多く潜伏期間は6〜20時間で高熱と激しい腹痛と同時に鮮血が出現する。

 

毒素型

▶ブドウ球菌
加工食品(にぎりめしや弁当)に多く潜伏期間や約3時間であり、激しい嘔吐と腹痛が出現する。 

▶ボツリヌス菌
飯寿司(いずし)、からしレンコン、滅菌の不完全なパック、缶詰類に多く潜伏期間は約12〜36時間で腹痛と嘔吐の他に神経・筋麻痺が起こる。
※乳児のボツリヌス症は、はちみつの摂取が原因であるこが多いため、1歳までは避ける。

 

ウイルス型

▶ノロウイルス
飲料水、食品、生あるいは加熱不十分の魚介類(特に二枚貝や牡蠣)に多く、潜伏期間は24〜48時間で激しい嘔吐と下痢が出現します。

▶ロタウイルス
糞口感染(ふんこうかんせん)に多く、潜伏期間は1〜4日で激しい腹痛と嘔吐(おうど)に時に白色ないし黄色の排便が出現する。
 
▶感染型
潜伏期間は毒素型より長く、発熱をきたしやすい。

▶毒素型
潜伏期間は数時間以内と短く、発熱は稀にみられる。

 

治療

食中毒は上記で上げた細菌やウイルスや毒が原因で激しい腹痛とともに下痢(げり)と嘔吐を繰り返します。
水分補給や食べ物を食べてもすぐに嘔吐や下痢してしまうため電解質のバランスが崩れ、脱水症状になってしまいます。
この時、身体は頑張って菌やウイルスと闘い、外へ排出しようとしています。
そのため下痢止めを内服するのは体内に細菌やウイルスが留まってしまうため絶対に禁止です。

 

脱水症状

下痢と嘔吐を繰り返すことによって電解質のバランスが崩れて口渇やめまいが引き起こり、症状が悪化すると頭痛やけいれん、意識障害も引き起こします。
特に高齢者や小児は悪化するのが早く、症状を把握し早期に受診する必要があります。
 
小児の場合
●繰り返す下痢嘔吐
●皮膚を引っ張っても戻らず乾燥している
●尿量が回数も量も少ない
●ぐったりして顔面蒼白である
●大泉門(頭の上の頭蓋骨の隙間)が陥没している
 
高齢者の場合
●水分摂取量が少ない
●体力低下
●のどが乾いた事に気付かない
●血圧低下がみられめまいやふらつきある
●幻聴や幻覚がみえる
●食欲がなくぐったりしている
 
重篤な脱水症状になると生命の危機に直結してしまいます。
そのため経口摂取(けいこうせっしゅ)が難しい場合は点滴を入れることが望ましいです。
また、あまりにも吐き気が強い場合は、吐き気止めを点滴で投与する場合もあります。
原因によっては抗菌薬を点滴で投与する場合もあります。

 

予防出来る食中毒もある

●ボツリヌス菌・腸炎ビブリオ・サルモネラ・大腸菌・ウェルシュ菌などは食前加熱により予防することが可能です。
●料理する前、食事をする前などは良く手を洗いましょう。またジェルやスプレータイプのアルコール消毒もすると尚更良いです。
●調理器具はすぐ洗い、日光消毒や加熱消毒、薬液に浸けて殺菌する。
●食中毒になりやすい食材はよく加熱して生のものは控えましょう。

 

食中毒を防ぐ・免疫力を高める食べ物や行動

細菌やウイルスだけでなく、疲れが溜まって免疫力が低下している時も食中毒にかかってしまう原因の一つになります。
日頃から免疫力を高める食材や一緒に摂取すると予防になる食材を積極的に取り入れましょう。
 
●おにぎりや弁当に梅干しや酢のものいれる
●おにぎりはラップに包んで握る
●お弁当は保冷剤を使用し保管場所に注意する
●ヨーグルトを毎日摂取する(はちみつも入れるとより良い)
●適度な運動を日頃から取り入れる
●ストレスを溜めない
 
以上で食中毒の症状や種類、治療方法、予防方法までご紹介致しました。
身近に起こりえる食中毒は、予防出来ることもたくさんありますが油断すると命を奪いかねない恐ろしい病気です。
普段から手洗いや清潔な環境で調理する、食べ物の賞味期限を確認するなど意識付けて行うことが望ましいでしょう。
また、飲食店だから大丈夫だろうではなく火をよく通して食べたり、自分で消毒するジェルやシートを持ち歩くようにして食中毒を防ぎましょう。

プロフィール

看護師 水野 恵梨香

現在東京トータル美容クリニックに勤務。
幼少期アトピーで悩まされ肌にコンプレックスを抱き美容業界へ。
元エステティシャンであり社会人経て、東北大震災をキッカケに看護学校へ入学。
消化器内科・腫瘍内科を経て美容クリニックで介助や施術を行っている。
その他、美容や健康のコラムを執筆。
美容を健康面から考え役立たずに立てる情報を発信できるようにします