【専門医に聞く】二重まぶたの手術「埋没法」|糸がはずれやすくなる原因とは?

――美容形成外科の先生に「二重まぶた」についてインタビューしました。
 
この連載では、二重まぶたをつくる手術法について、六本木「サフォクリニック」の白壁 聖亜(しらかべみあ)医師にお話を伺っています。これまで「埋没法」「切開法」「ビーズ法」の3種類の方法について白壁医師に教えていただきました。

 
「埋没法」に関しては、多くのクリニックで使われている手術法ですが、手術後にまぶたに糸をつけたままにするので、なかには糸が取れてしまうケースもあるそうです。では、どのようなケースで糸がはずれてしまうのでしょうか?

「埋没法」では糸がはずれてしまうことがあると聞きますが、なぜでしょうか?

「埋没法」で糸が外れてしまう一因としては、糸をゆるめに止めがちということです。まぶたにも毛細血管があり、人により毛細血管の量が違うので少ない人は腫れにくいというのはあるのですが、埋没法で糸を強く締めると当然ながら腫れてしまいます。
 
糸をゆるく締めるとそんなに腫れはしませんので、患者さん側の腫れたくないという声を受けて糸をゆるくとめてしまっているケースも多いです。
 
しかし、生活する中でまぶたをアップダウンしていくと、糸がゆるくなってほぐれてしまうことがあります。これが、いわゆる糸が取れてしまう、という原因にもなっています。それでまた糸の締め直しをすると今度は目が腫れた、などとなってしまうこともあるでしょう。

 

埋没法でもある程度は手術後に腫れることがある

埋没法のほうが切開するよりは腫れにくいのですが、やはり毛細血管の状態によっては腫れてしまうことがあります。それでも糸が取れてしまうことを出来るだけ避けたいときに、糸をぎゅっと締めることもありますが、その場合にはダウンタイムがあります。
 
埋没法は腫れない、と思っている方は多いのですが、埋没法でも挙筋という筋肉の側に留める「挙筋法(きょきんほう)」では、それなりに腫れることがあります。ですので、「埋没法ではやはりある程度は腫れる期間がある」、ということを考慮して手術に臨まれるとよいでしょう。
 
埋没法では糸がはずれて再発して何度も繰り返し直される方も多いのですが、繰り返すくらいだったらビーズ法のほうがいいかなと、私は「ビーズ法」を勧めています。

 

手術後にまた二重まぶたを作り直してもらうことはできるのでしょうか?

たとえば、切開法で二重の幅を作って後になってから、やっぱりまぶたの幅を小さくしたい、となるとなかなか難しいのですが、埋没法であれば作り直しがしやすいこともあります。
 
なので、手術に対して少し不安が強い方で、将来にもしかしたら止めたくなってやり直すことがあるかもしれないと思っている場合は、埋没法のほうがお勧めではあります。ビーズ法でも修正することは可能ですが、埋没法と比べた場合は少しお時間がかかると思います。
 
切開法に関しましては、やはりしっかりと切って縫い合わせてしまいますので、もう一度やり直すことは出来なくはないのですが、なかなか難しいです。大掛かりな手術になることがあります

 

手術後に何年か経つとまぶたのラインはどうなりますか

歳を重ねて、エイジングとともにまぶたが下がってきたりラインがぼやけてきたりという場合は、重瞼ラインを作り直すというよりは、まぶたが下がってきている他の要素に対しての手術をお勧めする場合もあるでしょう。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

埋没法で糸がはずれてしまう場合に考えられる原因について、白壁先生に教えていただきました。埋没法だけでなく、ビーズ法や切開法もそれぞれにメリットやデメリットがあるとのことなので、二重まぶたの手術を検討されている方は、医師によく相談をしてから決めるとよいでしょう。

 
取材日:2019年12月16日
 

プロフィール

サフォクリニック
形成外科専門医・美容外科医・美容皮膚科医
白壁 聖亜 医師
 
<所属学会>
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本レーザー学会
 
美容外科として80年の歴史を持つ老舗クリニック
サフォクリニック 理事
祖父、父と続く美容形成外科医3代目であり、
「機能する美のデザインを追求」
が美容形成外科医としての理念である。
 
兵庫県芦屋市出身
スイス名門校Institute Le Rosey卒業後、
米国ニューヨーク州シラキュース大学で心理学専攻。
途中突如医師になることを決意し帰国。
大検取得し、帝京大学医学部入学。
卒後は東京大学医学部付属病院で研修、
湘南鎌倉総合病院形成外科勤務を経て形成外科専門医を取得
現在美容外科,美容皮膚科医として活用し
2児の母でもある。