【専門医に聞く!】ビーズに糸を通して自然な「二重まぶた」をつくる『ビーズ法』とは!?

――美容形成外科の先生に「二重まぶた」についてインタビューしました。
 
二重まぶたを作る方法では、「ビーズ法」という手術法があるそうです。
 
埋没法や切開法で二重をつくる方法もありますが、ビーズ法の場合はどのようなメリットがあるのでしょうか?
 
この連載では、二重まぶたをつくる方法について、美容形成外科医であり、六本木「サフォクリニック」にて定評のある技術で患者さんから信頼されている 白壁 聖亜(しらかべみあ)医師 にお話を伺っています。

 

二重まぶたをつくる「ビーズ法」とは?

――白壁先生は、ビーズ法という方法の施術をされることがあるそうですが、どのような方法なのでしょうか?
「ビーズ法」というのは「埋没式」と「切開法」の中間くらいの手術法になります。どういったところが中間なのかといいますと、ダウンタイムが短いということと、もうひとつは埋没式と比べてビーズ法は再発しにくいということですね。
 
そして、しっかりとした重瞼ライン(じゅうけんライン:まぶたの線)が作れます。

 

太い糸でしっかりした二重のラインをつくる

ビーズ法では、まずは埋没式のように、まぶたを上げるための筋肉である挙筋(きょきん)の方にむけて糸を掛けていくのですが、それに使用する糸は埋没式に比べてとても太い糸を使っています。
 
「より糸」という糸なのですが、それを6か所で固定します。直線のようなかたちに6点で固定していきますね。その、より糸のところにビーズを付けて縛ることで、しっかりとした瘢痕(はんこん)を作っていきます。
 
太いより糸がある一定の期間まぶたに存在することで、糸の周りの組織が異物と捉えて軽い炎症反応を起こし、その部位に瘢痕を作ります。傷跡の瘢痕と同じく硬い瘢痕になるため抜糸後も二重のラインを保てるのです。

 

ビーズを使うメリットとは?

ビーズをつけるので抜糸後は皮膚に糸の痕が残りにくいです。抜糸をした後にしばらくすると、糸の痕は消えていきます。それがメリットとしてはすごく大きいですね。ビーズ法は術後に痕が目立たなくて自然な状態になるということで、評価されている方法です。

 

より自然な二重に見える

ビーズを入れる理由としては、糸の痕を糸痕(しこん)というのですが、糸痕を残さないためにビーズを置いています。
 

 
今までの「抜糸法」というのは、ビーズを使わずにやっていたので、糸の痕が残ってしまってそれが目立ってしまうことがあったのですが、ビーズを置くことで糸の痕がとても目立たなくなりました。
 
――「ビーズ法」では抜糸をするそうですが、他の方法である「埋没法」では、糸はずっと入ったままになるのでしょうか?
 
「埋没法」では糸は付けたままになります。溶けない糸でやることが多いのでずっと残ります。しかし、施術方法にもよりますが、まぶたの脂肪の多さや厚さなども関係して、糸が外れてしまうこともあります。
 
――「ビーズ法」では糸の痕が目立たずにしっかり二重まぶたが作れるとのことですが、どのような方にお勧めされますか?
 
やはり糸の痕を残したくない方にお勧めする方法ですね。埋没法は目立ちにくいところはありますが、どうしても皮膚の下のゴロゴロ感や、下を向いた時に少し見える点々とした痕が何年経っても残ることがあります。

 

ビーズ法では抜糸するので異物感が残らない

ビーズ法は抜糸してしまうので異物感が残らず、ビーズの痕は1ヶ月もすればなくなります。糸の痕が目立たなくなるので、誰にも気付かれたくない方には向いていると思います。
 
ただし抜糸までの8日間はとても腫れます。切開法と比べても腫れは目立つと思いますので、8日間しっかりお休みをとれる方であれば、問題はないでしょう。

 

術後の8日間はビーズを付けたまま過ごす

8日間、ビーズを付けていただきますが、黒縁メガネなどをかけていただければ、それほど目立たない感じにはなります。そして8日目に抜糸をした後は驚くほど腫れが引いていきますので、ダウンタイムとしてはすごく短いです。
 
ただし8日間はすごく腫れるのでびっくりする方が多いのですが、抜糸後は本当にみるみる腫れが引いていきますし、埋没法よりも自然になるまでの期間が短いので、喜ばれることが多いですね。
 
たとえば、接客業などで下を向く機会の多い方からも、まぶたの傷口が目立たず自然な形になるので、納得していただいています。また、日本舞踊などの踊りや演劇をされる方などは下を向いて写真を撮られることも多いそうなので、ビーズ法をお勧めしています。
 
――ビーズ法は以前からある方法なのでしょうか
 
ビーズ法自体は以前からありますが、施術をしているクリニックは少ないです。埋没式のほうが簡易で、腫れにくいからという点でスタンダードだと思われているのですが、再発してしまう場合もあります。ビーズ法は再発の可能性が低いので、もっと知っていただきたいなと思います。
 
――抜糸までの8日間の過ごし方で、ビーズのカラーを楽しむ方もいるそうですね
 
ビーズ自体はよく刺繍屋さんなどにあるような、割と小さいものを使います。そして期間限定なのですが、当院ではオリンピックに向けてビーズをオリンピックカラーにされる方もいらっしゃいます。目立たない色がいいと思っていましたが、最近の若い方はカラフルで可愛いビーズにすると喜ばれます。腫れている8日間も少し華やかにできるということで当院では採用しています。期間限定ですね(笑)
 
何でもそうですが、隠そうとして少しだけ見えてしまうと、かえってそれが気になってしまうことがあるのかもしれません。ポジティブにもっていくひとつの方法として、カラーのビーズを選ぶことで楽しくダウンタイムを過ごせると思います。

 

医科歯科ドットコム編集部コメント

しっかり二重のラインをつくることができて、異物感が残らず自然な印象になるというビーズ法。ビーズ法のメリットとデメリットについて、白壁先生に詳しく教えていただきました。次回では、実際に二重まぶたをつくる手術の流れについて、お話を伺っていきます。

 
取材日:2019年12月16日
 

プロフィール

サフォクリニック
形成外科専門医・美容外科医・美容皮膚科医
白壁 聖亜 医師
 
<所属学会>
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本レーザー学会
 
美容外科として80年の歴史を持つ老舗クリニック
サフォクリニック 理事
祖父、父と続く美容形成外科医3代目であり、
「機能する美のデザインを追求」
が美容形成外科医としての理念である。
 
兵庫県芦屋市出身
スイス名門校Institute Le Rosey卒業後、
米国ニューヨーク州シラキュース大学で心理学専攻。
途中突如医師になることを決意し帰国。
大検取得し、帝京大学医学部入学。
卒後は東京大学医学部付属病院で研修、
湘南鎌倉総合病院形成外科勤務を経て形成外科専門医を取得
現在美容外科,美容皮膚科医として活躍し
2児の母でもある。