昨今メディアで取り上げられているオンライン診療。
ただ医療機関と患者ではオンライン診療についての認知度がなかなか埋まらないのが現状のようです。
そこで今回は病院や診療所に、医師を紹介する事業やオンライン診療アプリを運営されている小川智也(おがわともなり)医師から、オンライン診療についてお話を伺いました。
オンライン診療について
――患者さんが要望する診療内容と医師が実際に提供する診療の乖離している部分はありますか?
非常にあると思います。
また、オンライン診療の普及に関しては厚生労働省や日本医師会も一定の制限を設けながらも着実にその適応を広げていこうという動きが出ていることは確かです。
ただ、疾患や病態によっては、対面診療と比較してオンライン診療だけでは医学的判断がつけにくい状況があるため、様々なデータ統合や患者さんの状態を把握しうる補完的な機能をより充実させる必要があります。
患者さんがオンライン診療を求める場合でも、上記のように疾病・病態が問題ないかどうかを確認する必要がありますので、まずは医師に確認をお願いします。
――将来的にオンライン診療で医師が診断、看護師が現場で処置をするようになりますか?
今後はそうなっていくと思います。
過疎地などでは医師がオンラインで、現場では看護師が聴診器をあてたりと
オンライン診療とミックスした診療ができてくることを期待しております。
医科歯科ドットコム編集部コメント
オンライン診療は、一見スマートフォンやパソコンで医師へ相談できたり、画面を通して診てもらったりと便利な反面まだまだ色々とハードルが高そうだと感じました。
これから近い将来国内で普及するかと思うとワクワクしますね。
取材日:2019年12月13日
プロフィール
救急科専門医 MBA
2002年 山田赤十字病院勤務
2004年 大阪府立千里病院救急センター勤務
2005年 国立病院機構大阪医療センター救命救急センター勤務その後も、プライマリ・ケアから高度救命救急医療に至るまでの知識と技能を幅広く習得。
国内トップクラスの症例を誇る医療機関で救急医療を実践する傍ら、英国MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)資格を取得し、救命治療・集中治療に限らず、ドクターカーで災害現場に出向き医療を行う等、救急災害医療にも従事。
2012年 英国国立ウェールズ大学院MBA取得
医師としての専門的視点とMBAとしての経営的観点を交えた広い視野で国内の医療システムの問題点解決に向けた取組みを行うべく、現職のMRT株式会社に入社。医療課題の解決を事業に活かすべく医師の視点を活かし、ITを活用した医療サービスを提供。
2019年4月 MRT株式会社代表取締役社長に就任
2019年11月 ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社などの共同出資会社である、MONET Technologies株式会社が設立した「MONETコンソーシアム」に参画
自動運転とMaaS(Mobility as a Service)を融合させたAutono-MaaS事業へ、他の参画企業と連携しながら「移動における社会課題の解決や新たな価値創造」という目的において医療分野での社会的課題を解決する新たなサービスの創造を目指す。