【形成外科医に聞く】「ヒアルロン酸注射」って安全なの?ほうれい線、おでこの横じわ、手の甲・・・見た目年齢を若くしたい!

 
少しでも若く見せたい、という思いは女性も男性も同じではないでしょうか?
おでこのしわ、ほうれい線やゴルゴ線など、いわゆる「しわの改善」にヒアルロン酸が使われることが多いと聞きます。
 
そこで今回は、ヒアルロン酸注射の効果と安全性について「あらおクリニック」院長 荒尾直樹先生にインタビューをしました。

 

ヒアルロン酸はボリュームをUPさせて見た目を若返らせる

ヒアルロン酸というのは、注射器に入った製剤です。
 
このヒアルロン酸をしわが気になるところ、リフトアップしたいポイントに注入することによって、見た目を若返らせたりしわを改善したり、ボリュームを改善したりします
 
つまりヒアルロン酸を1cc入れることによって、顔のボリュームが足りないところに1cc分のボリュームを加えることができる治療になります。
 
ほうれい線や目の下のくま、口の周りのマリオネットライン(口角から下に伸びる2本の溝)、他にも頬のへこみ、くぼみといったところにも応用することができます。

 

若々しいイメージやプチ整形に!ヒアルロン酸を使った治療とは?

ヒアルロン酸は、気になるところにほぼ使うことができます
主な治療としては、ほうれい線、マリオネットラインをはじめとして、おでこの横ジワ、こめかみのへこみをふっくらさせる、目の上のくぼみの改善などがあります。
 
さらに、ゴルゴ線(頬の上に入る窪みの線)などの脂肪のボリュームが減ってくると目立ってしまう箇所に対してヒアルロン酸を入れることで、ふっくらとした若々しい頬にすることができます。
頬の横が削げてしまったところに入れると輪郭も若々しくなります。
 
他には、ヒアルロン酸を使ったプチ整形もあります。
鼻が低くて悩んでいる方には、ヒアルロン酸を注入することで、鼻筋の通ったきれいな鼻にすることもできます。
 
また横から見た時に、鼻先、唇、顎先が一直線になるというのがきれいなラインとされています。
 
そこで、顎が少し小さい人には、硬めのヒアルロン酸を使って顎の形をシャープにすることで、小顔効果きれいな横顔にすることができます。

 

年齢がでやすい『手の甲』もヒアルロン酸で若々しく

ヒアルロン酸はふっくらと体積を増やすことができるので、手の甲で血管や筋が浮いてきたら、そこにヒアルロン酸を注射することでピンと張りのある若々しい手になります。
 
手は毎日目にするところですので効果が分かりやすく、改善するととても喜ばれる方が多い箇所です。
 
他にも、口元に細かい縦ジワができてしまった際にも使用することがあります。

 

身体に入れたヒアルロン酸はどこへ?気になる安全性は?

実は、元々ヒアルロン酸は体内に大量にあるものです。
 
注射用のヒアルロン酸と体内にあるヒアルロン酸との違いは、注射用にヒアルロン酸の分子と分子を科学的に結合して溶けにくくしている点です。
結合していないヒアルロン酸を注入すると、1~2週間で消えてなくなってしまいます
 
これは整形外科で関節に注射するようなヒアルロン酸を使用しています。
お顔に注射するものは1~2年ほど溶けず、徐々に分解されるという性質を持っています
 
分解されると、体内にあるヒアルロン酸と同じになるので、怖がる必要はありません。
ごく稀に、分子と分子を繋げる架橋剤という成分にアレルギーを持つ方もいるため、そこの懸念はゼロではない、ということはありますが・・・。
 
ヒアルロン酸は徐々に分解されていくので、定期的に治療を受けることが必要です。

 

ヒアルロン酸注射を始めると、止めたときに老けたりしないか心配です!?という方へ

それは一切なく、元に戻るだけです。
ヒアルロン酸が皮膚に入ると、その周りに新しくコラーゲンを自分で作っていくということもあります。
 
どちらかというとヒアルロン酸がなくなった後でも、前の状態よりは良い状態を維持していることが多いです。

 

ヒアルロン酸を入れる頻度はどれくらいが良いでしょうか

お好きなタイミングで受けていただけます。
1年に1回と決められている方もいますし、気になったらその都度入れるという方もいます。
 
お顔の色んなところに全部一気に入れてもいいですし、気になった箇所にその都度入れるということも可能です。
自身でフレキシブルに治療計画を立てられるというのもヒアルロン酸のいいところです。

 

編集部コメント

注入したヒアルロン酸が分解されてなくなっても、前より良い状態を維持していることが多い、というのは驚きでした。
 
また、自分の受けたいタイミングで治療をフレキシブルに受けられるという点も魅力ですね。次回でも、「ヒアルロン酸」について荒尾先生にご説明いただきます。

 
取材日:2019年11月28日
 

プロフィール

荒尾 直樹医師

<資格>
医学博士
日本形成外科学会認定 形成外科専門医
昭和大学藤が丘病院形成外科 兼任講師
美容レーザー適正認定医(日本美容医療協会認定)
日本抗加齢美容医療学会(MBF)

<略歴>
1996年 鹿児島ラ・サール学園高等学校卒業
2002年 昭和大学医学部卒業
2002年 昭和大学藤が丘病院形成外科入局
2006年 昭和大学大学院医学研究科卒業、医学博士号取得
2007年 佐賀大学医学部附属病院形成外科 助教・外来医長 (文部教官)
2008年 昭和大学藤が丘病院形成外科
2009年 青山ラジュボークリニック院長就任
2012年 横浜市青葉区にて、あらおクリニック開業

<所属学会>
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本美容医療協会
国際美容外科学会(ISAPS)