おしゃれの一部として定着している「ピアス」ですが、自分ではうまく垂直に開けられない、きれいに付けられないなどトラブルもあるようです。
ピアスを開ける際のトラブルや医院での処置について、皮膚科医である「渋谷スキンクリニック」院長の吉田貴子(よしただかこ)医師にお話を伺いました。
自分でピアスを開ける場合と医院でピアスを開ける場合の比較
ピアスを開ける方はとても増えていて年齢も幅広いのですが、やはり主には10代20代が多いです。
ピアスを開けるためには、通称「ピアッサー」と言われるような簡易的に自分で開けられるような商品が、たくさんドラッグストアで売っています。それを購入して自分で開ける方も多いと思います。
――自分でピアスホールを開けるときに考えられるトラブルはありますか?
ピアスホールを開ける際に、耳たぶに対してうまく垂直にピアッサーを刺せなかったり、そのピアッサーを外して自分の好きなピアスに切り替える適切なタイミングが分からずトラブルになったり、きれいにピアスが付けられなくなる場合もあります。
そのアフターケアで受診される方もいますので、心配な方はやはりクリニックに来ていただいて、医師に開けてもらうのが一番安全な方法でしょう。
医院でピアスホールを開ける際に使用されるプラスチック製のチューブとは?
私の医院では患者さんにお持ち込みいただいたピアッサーで開ける場合もありますが、さらにおすすめなのはプラスチック製のチューブを用いる方法です。単にファーストピアスとしてだけでなく、その後も長く使えるよう、ご自身でお好きなピアスをご購入ご持参いただきそれをお付けすることが可能です。
その場合、ピアッサーは使いません。医院でプラスチック製の細いチューブを耳たぶの中に入れ耳たぶの厚みに合わせて長さを調整し、そのチューブの中にお持ちいただいたピアスを通して後ろからバックピンで留めます。
そうすることによって、金属が直接耳たぶの中の傷に触れないので、金属アレルギーを起こすリスクも下げられて、なおかつ最初から自分のつけたいピアスをつけることができるという良いこと尽くめです。
なので、私のところではご自分のピアスを持ってきていただくようにお勧めしています。
――ファーストピアスはどのようなものがいいでしょうか?
ピアスホールに入れるピアスの形は揺れるようなタイプではなく、輪っかのタイプでもなければ、ある程度の形は制限なく選んでいただけます。素材は18金またはプラチナのものが適しています。
編集部コメント:トラブルやリスクを避けるために、皮膚科でお願いしましょう
今回はピアスについて吉田貴子医師に教えていただきました。
初めてならなおさら、皮膚科の医院でピアスの穴を開けてもらう方が不安を軽減できます。
できるだけトラブルやリスクを避けて、長くピアス生活を楽しみたいものですね。
取材日:2019年10月25日
プロフィール
皮膚科・美容皮膚科医 「渋谷スキンクリニック」院長
一般皮膚科と美容皮膚科の両方を開設し、男女問わずあらゆる肌の悩みに向き合う。著書に「ヘアピンでもできる!毛穴スッキリ!美肌メソッド」がある。
<略歴>
帝京大学医学部 卒業
同大学付属病院皮膚科学教室 勤務
東京警察病院皮膚科 勤務
帝京大学付属溝の口病院皮膚科 修練生
東京都内クリニック 前院長
<所属学会>
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本小児皮膚科学会会員
日本臨床皮膚科医会会員
日本禁煙学会会員