元プロ野球選手の森本稀哲(もりもとひちょり)さんと現役医師でありU12の少年野球・若武者NIPPONに帯同する織田聡先生の対談の第二弾。
テーマは「ケガを最小限に抑えるにはどうすればよいか」です。ケガを少なくするために自分でできることは何か、どんな改善方法があるのかお話をいただきました。
前回の対談記事はこちら『森本稀哲元プロ野球選手と現役医師対談「怪我をきっかけにより高いパフォーマンスを生む方法」』
ケガを最小限に抑えるにはどうすればよいか
森本さん
口で言うのは簡単ですが、非常に難しいことだと思います。アスリートとして言えるのは、まず自分の身体を知る、身体の状態を他人より自分がわかる状態にするということほど強いものはないと思います。
実際、僕もシーズン中に外出せずにホテルで、座ってテレビを見ていたらギクっと腰をやってしまったこともあるので、大人しくしていればケガをしないというわけでもないです。
僕の場合は腹筋の意識が足りなかったからだと思いました。自分は筋力があって身体が強いと思っていましたが、実は腹筋というのは使い方が色々あって、ぐっとお腹を外に出して踏ん張るよりも、腹筋は引き締める方が腰痛には効くことを腰痛になってから勉強しました。
結局腰痛に悩まされたので、勉強して、自分の腰がどうなったら痛みがでるかと考えるようになってからだいぶ落ち着いてきました。最初はわからなくていいのですが、たとえば朝起きてまず「自分の身体を知ろうとすること」で、だいぶ変わってくるのかなと思います。
また今日は首が重いなと思ったら、グラウンドに行ってエクササイズを変えられます。それがケガを予防する方法ではあるのかなと僕は考えます。
口で言うのは簡単ですが、非常に難しいことだと思います。アスリートとして言えるのは、まず自分の身体を知る、身体の状態を他人より自分がわかる状態にするということほど強いものはないと思います。
実際、僕もシーズン中に外出せずにホテルで、座ってテレビを見ていたらギクっと腰をやってしまったこともあるので、大人しくしていればケガをしないというわけでもないです。
僕の場合は腹筋の意識が足りなかったからだと思いました。自分は筋力があって身体が強いと思っていましたが、実は腹筋というのは使い方が色々あって、ぐっとお腹を外に出して踏ん張るよりも、腹筋は引き締める方が腰痛には効くことを腰痛になってから勉強しました。
結局腰痛に悩まされたので、勉強して、自分の腰がどうなったら痛みがでるかと考えるようになってからだいぶ落ち着いてきました。最初はわからなくていいのですが、たとえば朝起きてまず「自分の身体を知ろうとすること」で、だいぶ変わってくるのかなと思います。
また今日は首が重いなと思ったら、グラウンドに行ってエクササイズを変えられます。それがケガを予防する方法ではあるのかなと僕は考えます。
織田医師
森本さんがおっしゃる通り、自分の身体を知らない、アセスメントができないと介入もできないので、自分の身体の状態を客観的に正確に知るというのはすごく重要なことだろうと思います。
自分の調子が悪いというところまでは自分で感じられるとして、では、今日首の調子が悪いという時にどうすればいいのか、誰に相談すればいいか、知識をどう集めるか。その情報は今やインターネットや雑誌などで山のようにあります。
そうすると何が正しくて何がまちがっているのかは中々わかりづらいです。スポーツだけに限らず、健康にかかわる情報は山のようにあって、自分の健康によかれと思ってやったら実はダメだったというのがあります。
そういった情報が色々ある中で、常に相談できる場所や専門家を作っておくというのは大事かと思います。特にスポーツを継続的にされる方はケアメンテナンスが大事なので、きちんと指南してくれるようなスポーツ整形の先生などが重要となります。
中心はやはり整形外科など西洋医学かと思います。またその周りにはマッサージとか、鍼灸など、あらゆるスポーツ、健康、ヘルスケアにかかわる人がいます。そこからどう情報を得るのかということを、ケガをする前から意識するのがいいと思います。
また、残念ながら現状西洋医学と他の領域の連携がまだあまりできていません。
プロスポーツの方は専属のトレーナー、専属の整形外科医、専属のマッサージの人、専属の鍼灸師がいて、という連携ができている場合があります。ですが、アマチュアスポーツの方は、整形外科医が言うことと鍼灸師が言うことが全く異なることもあり、連携が取れていない場合があります。
森本さんがおっしゃる通り、自分の身体を知らない、アセスメントができないと介入もできないので、自分の身体の状態を客観的に正確に知るというのはすごく重要なことだろうと思います。
自分の調子が悪いというところまでは自分で感じられるとして、では、今日首の調子が悪いという時にどうすればいいのか、誰に相談すればいいか、知識をどう集めるか。その情報は今やインターネットや雑誌などで山のようにあります。
そうすると何が正しくて何がまちがっているのかは中々わかりづらいです。スポーツだけに限らず、健康にかかわる情報は山のようにあって、自分の健康によかれと思ってやったら実はダメだったというのがあります。
そういった情報が色々ある中で、常に相談できる場所や専門家を作っておくというのは大事かと思います。特にスポーツを継続的にされる方はケアメンテナンスが大事なので、きちんと指南してくれるようなスポーツ整形の先生などが重要となります。
中心はやはり整形外科など西洋医学かと思います。またその周りにはマッサージとか、鍼灸など、あらゆるスポーツ、健康、ヘルスケアにかかわる人がいます。そこからどう情報を得るのかということを、ケガをする前から意識するのがいいと思います。
また、残念ながら現状西洋医学と他の領域の連携がまだあまりできていません。
プロスポーツの方は専属のトレーナー、専属の整形外科医、専属のマッサージの人、専属の鍼灸師がいて、という連携ができている場合があります。ですが、アマチュアスポーツの方は、整形外科医が言うことと鍼灸師が言うことが全く異なることもあり、連携が取れていない場合があります。
森本さん
一番困るパターンですね(笑)
一番困るパターンですね(笑)
織田医師
日本の医療業界がきちんと連携ができるよう進めていかないと、いい選手が生まれる前にケガで離脱していってしまいます。早く体制を作っていかないといけないと思います。
日本の医療業界がきちんと連携ができるよう進めていかないと、いい選手が生まれる前にケガで離脱していってしまいます。早く体制を作っていかないといけないと思います。
森本さん
たしかに、そうだと思います。
たしかに、そうだと思います。
編集部まとめ
一人ひとり自分の身体を知る、ということが大事ですね。相談できる専門家、かかりつけ医など身近に探していくことも重要なようです。次回は、第三弾「ケガを未然に防ぐにはどうしたらよいか」について引き続きお二人に対談していただきます。
取材日:2019年11月1日
プロフィール
織田聡
医師 薬剤師 医学博士 僧侶医療法人社団聡叡会あすかクリニック院長
一般社団法人健康情報連携機構代表理事
LITERRAS MEDICA株式会社 CEO 代表取締役社長
株式会社アクセルレーター 取締役日本型統合医療を提唱し、西洋医学と補完医療の有機的連携構築が専門。東洋医学的哲学を基盤に、ICTやAIなどを活用した先進的医療にも精通する。現役医師として臨床業務の傍ら、少年野球からe-Sportsまで多くのスポーツ振興に関わり、ヘルスケアデバイスの開発や医療用アイソトープ国産化など種々の事業にも参画している。また、僧籍(臨済宗妙心寺派)をもち、早くから禅の医療や介護への利用を模索している。寺院を活用した地域コミュニティ再生にも期待されている。
医師 薬剤師 医学博士 僧侶医療法人社団聡叡会あすかクリニック院長
一般社団法人健康情報連携機構代表理事
LITERRAS MEDICA株式会社 CEO 代表取締役社長
株式会社アクセルレーター 取締役日本型統合医療を提唱し、西洋医学と補完医療の有機的連携構築が専門。東洋医学的哲学を基盤に、ICTやAIなどを活用した先進的医療にも精通する。現役医師として臨床業務の傍ら、少年野球からe-Sportsまで多くのスポーツ振興に関わり、ヘルスケアデバイスの開発や医療用アイソトープ国産化など種々の事業にも参画している。また、僧籍(臨済宗妙心寺派)をもち、早くから禅の医療や介護への利用を模索している。寺院を活用した地域コミュニティ再生にも期待されている。
プロフィール
森本稀哲(もりもと ひちょり)
CKPLAT所属
元プロ野球選手、講演家、野球解説者高校野球の名門・帝京高校の主将として甲子園に出場。
1999年ドラフト4位で日本ハムファイターズ
(現北海道日本ハムファイターズ)に入団。
2006年には1番レフトとして活躍、チームを日本一へと導く。
その後、2011年横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。
2014年、埼玉西武ライオンズへテスト入団。
2015年9月、17年間にわたるプロ野球人生を終え、現役を引退。通算成績は、1272試合、3497打数904安打、33本塁打、521得点、267打点、106盗塁、打率.259。
2006年、2007年はパ・リーグ最多得点。
2006年から2008年まで3年連続ゴールデングラブ賞を受賞し、2007年ベストナインに選ばれる。現在は、経営コンサルティングを手掛ける『CKPLAT』に所属。
野球解説やタレントとしてテレビ・ラジオ出演のほか、講演活動も行っている。著書『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』(ダイヤモンド社)
森本稀哲オフィシャルサイト
CKPLAT所属
元プロ野球選手、講演家、野球解説者高校野球の名門・帝京高校の主将として甲子園に出場。
1999年ドラフト4位で日本ハムファイターズ
(現北海道日本ハムファイターズ)に入団。
2006年には1番レフトとして活躍、チームを日本一へと導く。
その後、2011年横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。
2014年、埼玉西武ライオンズへテスト入団。
2015年9月、17年間にわたるプロ野球人生を終え、現役を引退。通算成績は、1272試合、3497打数904安打、33本塁打、521得点、267打点、106盗塁、打率.259。
2006年、2007年はパ・リーグ最多得点。
2006年から2008年まで3年連続ゴールデングラブ賞を受賞し、2007年ベストナインに選ばれる。現在は、経営コンサルティングを手掛ける『CKPLAT』に所属。
野球解説やタレントとしてテレビ・ラジオ出演のほか、講演活動も行っている。著書『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』(ダイヤモンド社)
森本稀哲オフィシャルサイト