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歯科医師監修|40歳過ぎたら要注意!知っておきたい|親知らずを抜かないリスク

40代以降こそ要注意!知っておきたい「親知らずを抜かないリスク」
歯科医.com

みなさんは、親知らずの正式名称をご存じでしょうか?
親知らずは、正確には「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」といいます。
親知らずという名称は、所説ありますが、親の手を離れて自立する20歳頃になると生えてくるという性質からつけられ、広く使われるようになりました。
しかし、親知らずは必ずしも20歳前後に生えてくるわけではありません。
30代や40代に入って歯茎から突如顔を出し、そして急にトラブルを起こすことがあります

つまり、親知らずを抜いていないことは、「お口に爆弾を抱えている」ともいえるのです。

今回は、そんな大人の親知らず事情について、歯科医師の秋山先生にお話を伺いました。
「この年齢になって、今さら親知らずで困ることはないだろう…」と思っている方、ぜひチェックしてみてください。

一部分が露出している状態が最も危険!あなたの親知らずは今どんな状態?

親知らずの話をするにあたり、初めに確認したいのは現状です。
皆さんは、自分のお口の中に何本の親知らずがあり、それがどんな状態になっているかをご存じでしょうか?

これについて、秋山先生は次のように話しています。
自分の親知らずの状態を把握できていない方は、かなり多くいらっしゃいます。お口の中をまじまじと観察することはあまりないでしょうし、ましてや本数を数えることなんてしないでしょうからね。奥歯に大きい歯が3つあったら、一番奥は親知らずです。生えていることに気付いていないケースも珍しくありません」。

親知らずとの付き合い方を考える最初の一歩は、自分のお口の現状について正しく知ることです。皆さんもぜひ、鏡でお口の中を覗いてみてください。
なお、お口の状態は段々と変わっていくものです。以前に歯科医院で問題がないと言われた方も、定期的に最新の状態を確認することが大切です。

親知らずの状態は、以下の3つに分けられます。

  1. 完全に歯茎の下に埋まっている
  2. 一部分だけ歯茎から露出している
  3. 完全に露出している

この中で一番危険といえるのが、(2)の一部分だけ歯茎から露出している場合です。
なぜなら、(2)は最も虫歯歯周病になりやすい状態にあるからです。

歯が歯茎から出ているということは虫歯菌歯周病菌と接する機会があるということになります。露出している状態なのは(3)も同じですが、違いはケアのしにくさにあります。
歯と歯茎のあいだには溝があり、ここに汚れが溜まりやすくなっています。
特に、(2)の一部だけ露出しているほうが溝の構造が複雑で、歯ブラシが届きにくいのです。
中でも上の歯は、親知らずのすぐそばにあごの骨があることも関係して、普通の歯ブラシで完全に汚れを落とすのは極めて難しいといえるでしょう

また、自分は(1)親知らずが埋まっているという方も、隣の歯に隠れて見えていないだけというケースが多くあります
特に上の歯は自分でチェックすることは難しいので、虫歯などの異常がないかも含めて、一度歯科医院で診てもらうといいでしょう。

なお、日本人は顎が小さいので、下の親知らずが生えてこないケースも多く見られます
とはいえ、一生そのままとも限らないので、先にも述べたとおり定期的なチェックは欠かせません。
これは親知らず以外の歯の健康を維持するためにも必要なことなので、ぜひ習慣にしてください。

40歳を過ぎても要注意!親知らずのトラブルは親の年代にも降りかかる

よく「親知らず=痛みの原因」と考えている方がいますが、これは誤解です。
親知らずは、虫歯歯周病などの病気に侵されて初めて痛みだします。ただ生えているだけなら、痛みを感じることはありません。

親知らずがお口のトラブルメーカー的な存在とされているのは、生えることで痛みが発生するからではなく虫歯歯周病になりやすく、痛む確率も高いことが理由なのです。
生える場所や生え方が特殊なだけで、歯自体の性質はそのほかの歯と変わりません。

しかし、これは同時に、年齢に関係なく親知らずが痛み出す可能性があることを示しています。
「すでに親知らずが生えていて、これまで何の不具合もなかった」という方は、単に虫歯歯周病になっていないだけのことです。
特に、歯周病のリスクは加齢に伴って上がるため、むしろ年齢を重ねてからのほうが注意する必要があるといえるでしょう。

「怖いから、抜歯は先延ばし…」ではダメ!親知らずを早く抜くべき理由

親知らずの抜歯と聞くと、多くの方が痛くてつらい治療を想像することでしょう。そのため、なかなか勇気が出ずに抜歯を先延ばしにしてしまいがちです。
しかし、親知らずを放っておくことにはさまざまなリスクが伴います。

【親知らずを早く抜くべき理由1】周囲の歯がダメージを受ける

磨き残しが起こりやすい親知らずは、ほかの歯に比べて虫歯歯周病に侵される可能性が高くなっています。
そして忘れてはならないのが、虫歯歯周病はどんどん伝染していくということです。親知らずが病気になったことで、隣の奥歯までいっしょにダメになるケースは多く見られます。

特に、親知らずが横向きに生えてきた場合にぶつかる隣歯の根部分が虫歯となってしまうことが多くあります。この場合は要注意です。
歯は、根の部分が虫歯になるとほぼ確実に神経が死んでしまいます。そして、神経が死んでしまった歯は、割れたり欠けたりするリスクが高くなり、歯を失うことにつながるのです。

また、親知らずが生えている部位が歯周病になった場合は、歯を支える土台である歯槽骨(しそうこつ)が吸収をする為、歯茎がやせてしまいます。
つまり、親知らずの歯周病によって歯槽骨が溶け、隣の歯の土台にも悪影響が及ぶのです。
大切な自分の歯を守るためには、大きなリスク要因となる親知らずは抜いておくべきといえるでしょう。

【親知らずを早く抜くべき理由2】噛み合わせに悪影響を及ぼす

私たちの歯は、噛み合う場所を求めて少しずつ移動するようにできています。
つまり、上下どちらかの親知らずだけが残っていると、相対する歯は噛み合う相手がいないということになります。すると、親知らずの位置がずれてきて、相手のいない歯は相対する歯茎と噛み合ってしまったり、噛み合う歯を求めて徐々に移動することで隣接する歯にぶつかったりするようになるのです。
そうなると歯並びに悪影響を及ぼし、親知らずの抜歯だけすれば良かったはずが、元の状態に戻そうとすると、治療まで受ける必要が出てしまったなどという事態につながることもあります。
虫歯歯周病はセルフケアである程度予防できますが、歯並びが変化してしまっては歯科医院でないとどうしようもありません。

【親知らずを早く抜くべき理由3】抜歯の妨げになる要素が増える

一般的に、年齢を重ねると糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高くなるといわれています。すると、抜歯時の歯茎の炎症がなかなか治まらなかったり、感染症を引き起こす可能性がぐっと高くなったりといった事態が起こりやすくなるのです。
また、加齢は骨の柔軟性をも奪っていきます。歯は骨に埋まっているため、骨が硬くなると抜くのが困難になってしまいます。

【親知らずを早く抜くべき理由4】すぐに治療できない

長年親知らずを放置している方が抜歯を決断するのは、腫れや痛みなどが出てからがほとんどです。
しかし、歯茎が腫れてしまっている場合は麻酔を打つことができません。その状態で麻酔を打つと、痛みを抑えるはずが、むしろ歯茎の腫れを助長してしまうからです。

そうなると、麻酔なしで親知らずを抜くことはできないので、腫れが治まってから抜歯することになります。こうなると痛みに耐える時間が長くなってしまい、普通に抜歯するよりもずっとつらい思いをすることになるでしょう。

このように、親知らずの抜歯を怖がって先延ばしにしていると、大きなリスクになりかねません。歯科治療に強い苦手意識がある方こそ、早めに抜いてしまうのがおすすめです。
「それでも、抜歯するのはちょっと…」という方であれば、定期的に歯科医院に通い、親知らずが周囲の歯に悪い影響を及ぼしていないかをチェックしてもらってください。

親知らずの抜歯によるダメージは、上下で大きく異なります。比較的骨の堅い下顎の親知らずを抜いた場合でも、腫れは1~2週間、長くても3週間ほどで完全に治まるのが一般的です。さらに、上の歯ならダメージはさらに小さく、ほとんど腫れない方も多く見られます。親知らずの抜歯=たいへんな治療と一概に決めつけてしまうのは誤りなのです。

自分の歯でおいしく食事を楽しむために…お口全体の健康を守るための一歩をぜひ踏み出してください。

Text: 中島香菜

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【編集部コメント】

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